The Records Of This Month
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毎月何枚かピックアップする予定です

'05 No.12 寒さを吹き飛ばすか? 闇雲に熱い歌声!! 無理矢理の「おしくらまんじゅう(死語)」という感じかも...

 

Joe South / Joe South / 1971年 孤独の影(Games People Play)が有名ですね。 少し水準は下がりますが Deep Purple / Hushなどというものも。 このAlbumにも Lynn Anderson / Rose GardenやOsmonds / Yo Yoというヒット曲が収録。 日本で発売された2枚めのAlbumには「これぞスワンプ・ロック」という謳い文句が。 その割に The BandやTony Joe Whiteなどに比し南部ものとしての認知度が低いのは 相当押しの強いStrings & Hornsにも負けないMOR風味の歌唱法の為かと。 私はDino ValenteNeil Diamondの中間の歌唱と位置付け。 伴奏はAtlanta Rhythm Section。

 

Wilson Pickett / Don't Knock My Love / 1972年 Duane Allman絡みのHey Jude経由と言いたいところですが Walker Brothersの「ダンス天国」から遡りIn The Midnight Hourに辿りついた世代。 このAlbumには ドリフの早口言葉でお馴染みのDon't Knock My Love pt.1のほか FreeやThree Dog NightもたじたじのFire And WaterやMama Told Me Not To Comeの強烈なCoverが。 Muscle ScoalsのRoger Hawkins, David Hood, Bary BeckettにMemphis HornsとMotownのDennis Coffee, Jack Ashford, Eddy Brownが加わっても 不滅のPickett節は熱く炸裂。

 

Burning Spear / Live / 1977年 特に歌唱力があるわけではないのですが 独特の熱い語り口で圧倒的な説得力を。 稀代の名作Marcus Garveyからは Title曲の他Slavery DaysとOld Marcusが演目に。 AswadのGeorge Oban(Bass), Angus Gaye(Drums), Courtney Hemmings(Keyboards)たちが伴奏を務めています。 溶鉱炉からどろどろと流れ出る溶解した鉄という感じの熱さが堪りませんね。 当時の私は 生き急ぐ筋金入りのRastafarianという勝手な思い込みを。 その印象が覆されたのは Montreaux Jazz Festival 2001で気持ちよさそうに歌う姿を見た時です。

 

Boomtown Rats / The Fine Art Of Surfacing / 1979年 Bob Geldof氏は AmnestyのSecret Police Man's Concertに Band AidのDo They Know It's Christmas?にLive Aidまで慈善活動に熱心。 杉「ベトナム親善大使」良太郎さんや森「じゃがいもの会」進一さんや五木「チャリティ」ひろしさんを思い浮かべてしまいます。 当時はI Don't Like Mondayなど熱き想いゆえの情緒過多に若干食傷気味。 久し振りに聞いてみたところ「君は人のために死ねるか」や「江戸の黒豹」を想起。 Geldof氏は英国の「杉さま」かも。 実はJohnnie Fingersという人のKeyboardsの安っぽい響きが好きです。

'05 No.11 Reggaeの正統派 ザ・ブルース増刊号「レゲエ・ブック」(1979年6月)でお勉強

 

Bunny Wailer / Blackheart Man / 1976年 レゲエ・ブックの「...自分の日常と"歌"との距離を常に意識しているような人達には、バニー・ウェイラーの声に魅せられて欲しいし、その後に詞をチェックしてもらいたい。彼がゴールデンハート・マンであることがすぐにわかって、彼をきっと好きになることだろう。」という講釈を姿勢を正して拝聴。 もちろんBlackheart Man, Rasta Man, Amagideon, This Train...と重い内容の曲ばかりですが いずれも旋律が親しみやすくすんなりと聴けてなお耳に残る曲ばかり。 このAlbumに出会い 私はMarley師やTosh師よりBunny Wailerを追いかけることに。 

 

Justin Hines & The Dominoes / Jezebel / 1976年 レゲエ・ブックの「...ジャスティン・ハインズのヴォーカルは相変わらずで、やっとのことで絞り出すようなその声はたまらない響があり、これはミーハー的にならざるを得ない。...しかし、この枯れた味がわかる人が何人いるかなあ。ちなみに、ジャケットも最高。」という挑発にまんまと乗ってしまったようです。 枯れた味わいは今ひとつわからなかったのですが Carry Go Bring ComeやSide2で披露する裏声が見事で 思わず落涙。 Dan PenやAaron Nevilleのような枯れた味わいと異なり もう少し血の気が多い気がしますが...

 

Gregory Isaacs / Cool Ruler / 1978年 レゲエ・ブックの「...グレゴリーのソフトなヴォーカルとバックのアンセル・コリンズ(Ansel Collins)のオルガンが醸し出す、哀感を伴ったどこかなまめかしい雰囲気。これは絶品だと思う。」(Party In The Slumなど)とのこと。 これで私は Marvin GayeのLet's Get It OnやI Want You さらにBilly PaulのMe And Mrs. Jonesまでを連想し Record屋さんへ。 なまめかしいのは主に伴奏で 官能技を連発し謳い上げるAl Greenより Everybody Loves A Winnerを歌うWilliam Bellのように 流麗で知的な歌唱という印象も...

 

Heptones / Better Days / 1978年 レゲエ・ブックの「...メイタルズのようなジャマイカンR&Bみたいなのと、このヘプトーンズのようなR&Bイン・ジャマイカみたいなのに分けられる。その微妙な違いは言葉とするのはちょっとむずかしい。...サスピシャス・マインド(Suspicious Minds)を、すばらしくレゲエとして歌い切っている。」という辺りに大いに反応しました。 かなり古めのShades Of BlueのOh How Happy(1966年)などを思い出してしまいましたが ディスコ全盛のこの時期 米国Soul側に私の心を惹きつけるChorus Groupがなかったこともあり 実はBrothers Johnson以上のお気に入りかも。

'05 No.10 豪華絢爛 賛助出演の皆さん

 

Steely Dan / Aja / 1977年 60年代Jazzを少しかじった世代としては Wayne Shorter氏の参加に拍手喝采。 Ajaでの演奏は Tom Scott達と異なる Popsの範疇を超えた凄みに若干の違和感も。 さらに精緻な楽曲構成に 果たしてBecker / Fagen組の演奏(特にWalter BeckerのGuitar Solo)が必要かというという思いも少し。 などなど 当時はStoicに自分の理想の音を追い求めるがゆえの 先達も抱えていた矛盾点も露呈した部分も。 そんな思いも今は昔... 皆さんのこなれた演奏と程よくPopな曲想と歌声を楽しんでいる好々爺の私です。

 

Ry Cooder / Jazz / 1978年 20年代Jazzを歴史としてしか認識していない世代としては 歴史上の人物のEarl Hines翁と親しげなCooder氏に羨望の眼差し。 ただ私の関心は 同じくParadise And Lunchから参加のRed Callender師のTubaに向きがち。 勿論私は知らなかったのですが Duke EllingtonやLouis Armstrongといった大御所との競演で名高い方とのこと。 その重鎮がRhythmを担当した割に 全体としてはDirty Dozen Brass Bandのような躍動感がないのが 若干不可解。 様々な民俗音楽を紹介してくれたCooder氏ですが ことRhythmに関しては意外に画一的な印象も...

 

Chaka Khan / What Cha' Gonna Do For Me / 1981年 1940年代のBe Bapを教材としてJazzの醍醐味を学んだRock小僧としては Dizzy Gillespie翁の登場に吃驚仰天です(「チュニジアの夜」にJazzの先達への敬意を盛り込んだ歌詞を付けたAnd The Melody Still Lingers On)。 Gillespie翁の若々しい演奏に触発されたのか Harbie Hancockも印象的なSoloを奏でています。 さらに時代を超越した疾走感が素晴しいCharlie ParkerのSoloを挿入したArif Mardin氏の大技には 吃驚仰天です。 Anthony JacksonのBassに加え Brecker兄弟も活躍。 Chaka姐さんに言及する余地が無くなって...

 

Was (Not Was) / Born To Laugh At Tornadoes / 1983年 1950年代のVocaleseが好きなのですが Mel Torme師との意表をついた組み合わせ(Zaz Turned Blue)に吃驚仰天。 さらに懐かしいMitch Ryderに狂喜乱舞し Ozzy OsbourneやDoug Fieger(Knack)にちょっと微笑みました。 Wayne "MC5" KramerのGuitarやMarvin "Hannibal" PetersenのTrumpetも炸裂。 Chris Blackwellも国際電話で参加。 Ajaの頃とは比べ物にならない様々な分野からの豪華助演陣に 時代の勢いを感じます。 などと言いつつ Smileという曲でMarshall Crenshawくんが弾くGuitarに激しく反応を。

'05 No.9 何故か 未だにCDに切り替えていません さては 特徴的なVocal君に何か問題が...

 

Colosseum / Daughter Of Time / 1971年 朗々と謳い上げるChris Farlowe氏。 ただこの時代としても 感覚的な古さは否めず どうしてもOut Of Timeの頃やTom Jonesさんを思い出してしまいます。 そして「このAlbumで一番よく聞くのは?」と訊ねられれば つい「Clempson, Greenslade組のBring Out Your Deadが一番好き」と答えてしまいそうです。 70年代初頭のJazz Rockとしても Blues Rockの発展形としても 演奏及び曲の構成が些か古典的で CD購入までには至らないものの その熱き思いは忘れがたく 年に何回かは無性に聞きたくなります。 

 

Family / Bandstand / 1972年 Glove など穏やかな曲でも Vibrate唱法を披露してしまうChapman氏。  Single盤を除けば本邦初登場らしく 解説で大貫憲章さんが「もし日本で発売されてうっかり人気が出てしまったりしたら何となくファミリーという宝物を他人に横取りされたような気持ちになって嫌だろうし、はたまた、人気が全然出ないで無視されるようなことになったら、彼らが気の毒だといった何とも複雑なファン気質がもたげて来て、なるべく最近は昔のようにファミリーの話題を口にするのを控えていたのだ。」と心情を吐露。 当時は共感を覚えたものの その興奮も醒めCD未購入のまま。

 

Jeff Beck / Jeff Beck Group / 1972年 どんな曲想でも精一杯声を振り絞るBob Tench氏。この無機質で一本調子な唱法が Beck氏の感情移入を抑えたGuitarと妙に調和。 過度に主張しない(邪魔にならない)Vocalという新領域に到達。 躍動感はChaman氏が主に担当し 情緒面は辛うじてMiddleton氏が担当と言うところか。 まとめ役のCropper師の采配もあるのでしょうが 見事な役割分担で Beck師の歌ものとしては 完成度は高いものと認識。 もっとも当時の私は うっかり器楽曲のDefinitely Maybeに注目を。 先ずはTruthを購入の後 こちらもと思いつつ幾星霜...

 

Black Sabbath / Black Sabbath, Vol. 4 / 1972年 Iommi師のGuitarに絡みつくOsbourne氏の節回し。 先ずWheels Of ConfusionからTomorrow's Dreamの流れに惹きこまれるなど 秀逸なAlbum構成。 私は小節の効いたSupernautが特に好きです。 流石に器楽曲のFXやLaguna Sunriseが一番とは申しません。 MTVのThe Osbournesを見て以来 教育的見地からも JackとKellyを利する行為にわだかまりを覚え CD購入は見送りということに。 一茂くんや福嗣くんを見て 長嶋・巨人ファンや落合・中日ファンのお父さんは どのように気持ちの折り合いを付けているのか気になる今日この頃。

'05 No.8 奥ゆかしいジャケット これでは歌姫の容姿が分りません

 

5th Dimension / Portrait / 1970年 内側の見開きも含め 中々お洒落な肖像画のジャケットです。 ただ当時の私は Diana RossやShirley Basseyと並ぶ この路線の「三大美女」Marilyn姫がはっきり写った写真の方が好みだったかも...  活きの良いPuppet ManやしっとりとしたOne Less Bell To Answerから Save The Countryなど社会を見据えた楽曲群に最後のお洒落なScatのDimension 5iveまで The Age Of Aquariusと並び完成度の高いAlbum。 なお羅生門(クニ河内さんや近田さん)の日本国憲法は このAlbumのThe Declaration(独立宣言)を日本に置き換えたものでしょう。

 

Stoneground / Stoneground / 1971年 The Last Days Of Fillmore / Passion Flowerでお馴染みのLynne Hughes(多分)の他にも Annie SampsonやLydia Phillipsに加え ValentinoのAdded Atractionを素敵に歌うDeirdre LaPorte(実は一番のお気に入り)と歌姫がずらり。 ただし それぞれがきちんと写った写真がありません。 もっとも本当の中心人物は 自作のLooking for YouやStroke Standを歌う元Beau BrummelsのSal Valentinoのようです。 Jefferson StarshipやHot Tunaにも出入りしていたPete Searsも。 雨乞いのようなRainy Day In Juneも妙に耳に残ります。

 

Grootna / Grootna / 1972年 Anna Rizzo姫の線は細いものの多彩な歌声にちょっと注目。 ただ肝心の容姿が今ひとつ不鮮明なまま。 愛の伝道師Balinさんが 革命宇宙戦士の台頭でJefferson Airplaneに居場所を失った頃。(日本でも連合赤軍の総括がありましたね) Jack BonusのSaxやKelly BryanのBassが活躍するI'm FunkyなどRhythmものや唸っても牧歌的なFull Time Womanなどが印象に。 それにしても こんなものまでCD化されるとは! まさかGrootnaは持っているが Jefferson AirplaneはBest盤で済ましているような不埒な人は居ないでしょうね? 私のように...

 

Curved Air / Phantasmagoria / 1972年 私の持っているのは日本盤ですが Sonja姫の写真がありません。 It's A Beautiful DayのPattie姫が 私が勝手に描いていた女神像と異なり かなり肉感的だったことが心の傷となっていたので 余計気になりました。 冒頭のMarie AntoinetteからMelinda (More Or Less)への繋がりに感涙。 私の中では ヴィッキーの「恋は水色」からグラシェラ・スサーナの「サバの女王・アドロ」へ繋がる王道だったかも。 なおAir ConditioningのVivaldiは一応聞きますが こちらのSynthesizerによる何の工夫もないUltra-Vivaldiはあまり聞きません。 

'05 No.7 80年代の定点観測ないしは絶滅危惧種の保護

 

Miroslav Vitous / Miroslav Vitous Group / 1981年 Infinite Search(邦題:限りなき探求)のFreedom Jazz Danceは衝撃的でした。 ただ私はTape(それもOpen Reel)で聞いていたので 実際にVinyl盤を手にしたのは 1972年のMountain in The Clouds。  そしてこのAlbumは Weather Report以来久々の定点観測ということになりました。 Vitous師のたおやかな弓使いに絶妙に絡まるBass ClarinetのJohn Surmanには 来日時(1970年?Europe Jazz All Stars)Baritone Saxの圧倒的な迫力に強い衝撃を受けたことを改めて思い出しました。 

 

Canned Heat / King Of The Boogie / 1981年 Al "Blind Owl" Wilsonは1970年に死亡。 Bob "The Bear" Hiteも1981年に死亡。 このAlbumではWolfman Jackが追悼文を。 Boogieと言われて思い浮かべるのは 常識的にT RexにZ Z TopやStatus Quo 更にFoghat辺り。 それ以前は このCanned HeatとSavoy Brownだったと記憶しております。 このAlbumは 何曲かでHite師の声を聞くことができる他に Henry "The Sunflower" Vestine師のGuitarを堪能できます。 そうそうLarry "The Mole" Taylorは不在ながら Adolfo "Fido" De La Parraが要に。 当然絶滅危惧種。

 

Eric Andersen / Tight In The Night / 1984年 Today Is The HighwayからBlue Riverを経て 1976年のSweet Surpriseまでぼちぼちと聞き続けておりました。 そして80年代 Tower Recordsで久々に見かけたのがこのAlbum。 冒頭のWalking In My Sleepの中途半端なReggae風味に愕然。 牧伸二 & 日の丸ライオン楽団「ヤンナッチャッタレゲエ」には遠く及びません。 そもそも喫煙場面をJacketに使う時代感覚も含め この時点では正に絶滅危惧種。 などど毒づいておりますが 齢を重ねても「愛と放浪」のGirls Of DenmarkやWhat Will You With My Heartには抗うことのできぬ魅力が。

 

Richard Thompson / Daring Adventures / 1986年 爺の世代では ShadowsのHank Marvin師の次に思い浮かぶ英国のGuitarist。 Fairport ConventionからLindaとのI Want to See the Bright Lights Tonight辺りまでは それなりに聞いていましたが 以後はMuslim改宗やShoot Out the Lightsの評判や離婚の噂が断片的に耳に入ってきた程度に。 従来の市井のざわめきに比べ このAlbumでは独特の死生観が漂っているのが ちょっと気になりました。(Muslimの影響?) Valerieなどの歯切れの良い曲からJennieなどのゆっくりした曲まで Guitarは素晴しいです。 定点観測のつもり。

'05 No.6 かなり早熟な歌い手さんたち Michael Jacksonの無罪判決から連想...

 

Mel Torme / At The Crescendo / 1954年 1925年生れですが 4才の時 このAlbumでも歌っているYou're Driving Me Crazyを歌ったとのこと。(2Choruses with Coon-Saunders Orc. ChicagoのBlackhawk Restaurantにて) さらに6才でPianoとDrumsを覚え 8才でRadio出演と 今回の4人の中でも早熟振りは群を抜いています。 凄いですね。 このAlbumは 1957年のBethlehem盤ではなくてCoral盤です。 若干伴奏が粗いような気もしますが Get HappyやJeepers Creepersなど勢いのある歌唱が気持ちよいです。 自作のThe Country Fairも好いですね。

 

三橋美智也 / 民謡お国めぐり / 1965年 1930年生れですが 9才の時 全道民謡コンクールで優勝と Mel Tormeさんとほぼ同様の輝かしい経歴。 張りと艶のある高音は特筆に価します。 特に新相馬節や尾鷲節と五木の子守唄の哀愁感漂う歌唱に感涙。 ただ密かにお気に入りの武田節が入っていないのが残念。 Jacketの袴姿(黒田節?)は 成人式で暴れた新成人のような紋付羽織袴姿で靖国参拝の総理に比し 実に堂に入った貫禄と気品すら感じます。 70年代後半に訳の分らぬ「ミッチー・ブーム」で少し話題になりましたが ちょっと痛々しい感じがしました。

 

Steve Winwood / Arc Of A Diver / 1981年 1948年生まれですが 15才の時 Spencer Davis Groupに加入し 1964年(16才の時)Record Debutを。 時代も違いますが Torme師に三橋先生 そして美空先生(Vinyl盤もCD盤も持っていません)に比べると少し奥手かも。 歌唱もKeyboardsも表情豊かに歌っているのに対し Night TrainのGuitarだけが歌っていないのは 歌唱や鍵盤楽器と弦楽器は歌心の因子が異なるということか? この時期 自分で全部演奏しないと納得のいく音作りが出来ないと思ったのでしょうか。 その意味では Steely Danの対極に位置すると言えそうです。

 

Hugh Mundell / Mundell / 1982年 1962年生れですが 1978年(16才の時?)にAfrica Must Be Free By 1983というAlbumを発表し評判に。(AMGでは 1975年で13才?と) Roots Radics BandとScientistの紡ぎ出す刺激的な伴奏に 憂いを含む旋律と若干の湿り気のある声が調和。 一曲目のjacquelineだけでその世界に惹き込まれてしまいました。 One Drop StyleのSide1に加え 躍動感を増したRhythmのSide2にReggaeの新たな展開を予感。 ただ残念なことに 1983年にJunior Reidと自動車に乗っているところを銃撃されて死亡。

'05 No.5 大衆芸能の大御所たち! 日本の「タイガー&ドラゴン」や「正蔵襲名披露」からの連想?

 

Bing Crosby / The Jazzin' / 197?年 1927年から1938年の作品集。 1903年生まれ(1977年没)ということで 1900年生まれ(1979年没)の三遊亭圓生師匠とほぼ同時代の方。 大器晩成型の圓生師匠と違って Crosby師は20代から第一線で活躍する人気者だったようです。 洒脱なScatにMills BrothersのChorusも楽しいDinahやBoswell SistersのConnie Boswellと仲良く歌うBasin Streetが実に痛快。 Dorsey Brothers関連のSomeone Stole Gabriel's HornやI'm Old Cowhandにも激しく反応してしまいます。 「タイガー&ドラゴン」の虎児の勢いより 竜二のしなやかさに近いかも。

 

Nat King Cole / In The Beginning / 1977年 1940年から1941年の作品集。 1919年生まれ(1965年没)ということで1920年生まれ(2003年没)の春風亭柳昇師匠とほぼ同世代ですが Cole師は随分と早死でした。 柳昇師匠はTrombone奏者で新作落語の大御所でしたが Cole師はPiano Trio(Piano,Guitar,Bass)の先駆者との位置付け。 Sweet Lorraineの初演や後年のしっとりとした歌唱を想起させるThis Will Make You Laughなどの歌物に加え 歯切れのよいCole師のPianoとOscar MooreのGuitarも冴えるHoneysuckle RoseやEarly Morning Bluesなどの器楽演奏曲も素敵。

 

Frank Sinatra / Swing Easy! Songs For Young Lovers / 1972年 1950年代の2枚のAlbumを併せた物。 1915年生まれ(1998年没)ということで 同じ1915年生まれ(2002年没)の柳家小さん師匠と完全に同世代。 「人間国宝」の師匠は落語協会会長の時「大量真打ち」「真打ち昇進試験」で物議を醸しましたが Sinatra師もRepriseの社長さんでマフィアとの繋がりも噂された大御所。 Just One Of Those Things, Jeepers Creepers, Get Happy, All Of Meの圧倒的なSwing感に加え My Funny ValentineやI Get A Kick Out Of Youなどは 虎児を思わせる説得力があります。

 

Tony Bennett With Ralph Sharon Trio / When Lights Are Low / 1975年? 1964年録音。 1926年生まれなので 1925年生まれの桂米丸師匠(芸術協会元会長)と同世代。 米丸師匠は古今亭今輔師匠に可愛がられ 「先ず師匠の芸を真似し その上で自分の芸というものを生み出していく」ことに心がけていたそうな。 修練を重ねたBennett師の近年の充実振りにも驚嘆。 Ralph SharonはI Left My Heart In San Franciscoを勧めた人とのこと。 Ain't Misbehavin'やIt's A Sin To Tell A Lieなどが良い味を。 こぶ平くんも精進して「正蔵」の名に相応しい落語家を目指してください。

'05 No.4 気になるあの人たちの原点は... 遡って聞いてみました

 

Manhattans / Doing Their Best Thing / 1976年 1965年のHit曲I Wanna Be (Your Everything)などが入った初期の作品集。 Kiss And Say Goodbye(1976年)の大成功の中で 発売されたのではと推察。 荒さはあるものの力溢れる瑞々しい歌声で R&BのGarageものという趣も。 60年代のGroupらしい佇まいのJacketが実に好いですね。 後年の洒脱なManhattansとはなかなか結びつかない部分もありますが Temptationsを思わせるI Wanna BeにSam CookeのようなCall Somebody PleaseやImpressionsを彷彿とさせるSweet Little Girlなど微笑ましい。

 

Bill Monroe & His Bluegrass Boys / Blue Grass Time / 1967年 Richard GreeneとPeter Rowanが在籍ということで うっかりSeatrainEarth Operaから遡ってしまいました。 Monroe師が若手に触発されたのか 随所で若々しい演奏を披露。 RichardくんのFiddleは活き活きと飛び回っていますが PeterくんのVocalはMidnight On The Stormy Deepなどに限られ 干草の香りを漂わせるMoroe師のご子息Jamesくんの陰に隠れがちなのがちょっと残念です。 私は元々Bluegrassは苦手なのか Old And In The WayDavid Grisman / Hot Dawgしか本欄では取上げていませんね。

 

Charlatans / Alabama Bound / 1983年 英国のCharlatansの活躍で 少しは名前が知られるようになったのでしょうか。 英国のNirvanaが米国のNirvanaのおかげで知名度が上昇したようなものです。 ただ米国Los AngelesのXは X Japanのおかげで知名度が上がるということはなかったようです。(Mr.Bigは...) もちろんDan Hicks And The Hot Licksから遡った形です。 10分近くにも及ぶAlabama BoundのLive(1969年?Dan Hicks退団後)が 濃密なPsychedelicものとして爺の心を揺さぶります。 そしてI Saw HerにHot Licks / I Scare Myselfの原型を見たような気がしました。

 

New York Dolls / Personality Crisis etc. / 1982年 1972年の10月にEscape Studiosで録音されたものとのこと。 1. Personality Crisis 2. Looking For A Kiss 3. Subway Train 4. Bad Girlの4曲だけですが もっと聴きたくなる内容。  実はTodd RundgrenやShadow MortonがProduceしたAlbumより生々しい迫力があって好きです。 大物Producerの手にかかるとどうしても装飾過多になり 本来の魅力が薄まってしまうとの思いが。 それを突き破るだけの個性がなかったことは否めませんが Punkのご先祖としてはModern Loversを凌駕する絶品かと。 目立たないDrumsはBilly Marcia?

'05 No.3 時の人のはずなのに...ちょっと影の薄い亀渕社長の名言集

 

Otis Redding / Live In Europe / 1967年 解説より。 「スタジオ録音では決して聴くことが出来ない、彼のソウルフルな迫力ある唱法が充分楽しめると同時に、彼の死によって生じた空白をしみじみと感じさせずにおかないアルバムです。」 さらにTry A Little Tendernessに言及して 「僕は誰がなんといおうと、この曲がオーティスのベスト・レコーディングだと思います。 ...スローからアップへ、その盛り上がりと、アレンジの素晴らしさ、いや、「ものすごさ」は、オーティスの魅力を余すところなく伝えていると思います。」 先般の記者会見と違って 「熱い想い」がひしひしと伝わってきます。

 

Kinks / Everybody's In Show Biz / 1972年 解説より。 「私めは、まことに忠実なキンクス・ファンでありまして、彼等の創り出すヴィクトリア調ヴォードヴィル・サウンドが妙に忘れられず、変に気にいってて、一日あたふたと働き、ホッとターンテーブルにレコードなど置く時、ついついキンクスのレコードを引っ張り出してしまうのです。 世の中全部が芸能界、人間全部がスター。 朝になるとみんなホントの顔の上に、自分にふさわしいお面をつけて、今日も働きに出かけます。 「行ってらっしゃーい!!」の声におくられて...」 記者会見の後 お家でCelluloid Heroesを聴いていたのでしょうか?

 

Harry Nilsson / Nilsson Schmilsson / 1972年 ニューミュージック・マガジン 1972年4月号 今月のレコード(P128 評点87点)より。 「プロデュース担当のリチャード・ペリーが優秀な若手プロデューサーだということは認めますけれど、彼の欠点は聴く人を楽しませようとする余り、送り手側に無理じいするところにあるように思うのです。 ですから、キャラクターが出来てない人、または、壊れかかっている人にはピッタリなプロデューサーでしょうが、ニルソンのような"雰囲気"持ってる人には不向きじゃないかなとも思うのです。」 Nilssonがニッポン放送で リチャード・ペリーが堀江さんということか...

 

Beatles / At The Hollywood Bowl / 1977年 発売に当たり 内田裕也さん,渋谷陽一さん,中村とうようさん,福田一郎さんなど業界の重鎮とともに祝辞を。 「レコード誕生100年記念の歴史的レコード!! ビートルズの出現によって"若者文化"の大きな流れが出来上がり、今やこの"文化"は普遍化し、時代の主流となりつつある。 同時に"ビートルズが教えてくれた"生き方をし、社会に出ていった当時の若者は、今、社会の中核である30代前後になり、これからの世界を動かそうとしている。」 現在も ホリエモンなど若者に対する見方は変わらないのでしょうか?

'05 No.2 40年前(1965年) BeatlesやDylan以外の方々も御活躍

 

Original Soundtrack / The Sound Of Music / 1965年 当時の日本では BeatlesのHelpやBob DylanのHightway 61 Revisitedよりずっと知名度の高い洋楽だったと思います。 とくに小・中学生の子供が居るステレオを買ったばかりのご家庭には 必ず1枚あったのではと思うほど。 私がBeatlesで初めて洋楽に触れた方々とは 所謂Popular音楽の捉え方が若干違うのは 子供の頃 他にも「王様と私」や「ウェスト・サイド物語」や「南太平洋」に「マイ・フェア・レディ」といったミュージカルやサンレモ音楽祭などの音楽に親しんでいた所為かもしれませんね。 解説の関光夫さんが懐かしいです。

 

John Coltrane / The Best Of / 1965年 いつ頃から手許にあったのかは定かではありませんが Jazz通からの「お下がり」だったと思います。 Impulse!時代の2枚組箱入りBest盤ですが 発売直後のA Love Supreme(至上の愛)は入っていません。 絶賛されていた「至上の愛」の切り売りが許される状況でもなかったと思います。 後にBeatlesやにBob Dylanが神格化されていく過程は Jazz界のColtrane師の神格化をなぞっているようですね。 その後も若干小粒ですが Pink FloydやBeach BoysにNeil Young さらに最近ではRadioheadなどにも同様な動きが見受けられましたね。

 

Fugs / Virgin Fugs / 1965年 実際に発売されたのは1966年か1967年のようですが 録音されたのは1965年でFirst Albumの頃のようです。 Holy Modal Roundersが参加している訳ですが 歴史的意義は認めるものの 音楽作品としての普遍的な価値という点では 4年後のLiverpool Sceneの後塵を拝す形に。 音楽的素養の欠如は致命的で 西のMothersのような存在になることはありませんでした。 などと毒づく割に今でも手許に置いています。 Ed SandersのSaran WrapやTuli KupferbergのC.I.A. ManとCoca Cola Doucheは RaincoatsのLolaのように愛おしい楽曲です。

 

Sam Cooke / Shake / 1965年 邦題は「永遠に生きるサム・クック」となっています。 解説の福田一郎翁も「モーテルの女管理人に誤ってピストルで射殺されたのは 昨年(1964年)12月11日のこと」と記していらっしゃいます。 その後 Nat King Coleは肺がんで1965年に そしてOtis Reddingは飛行機事故で1967年に さらにWes Montgomeryは心臓病で1968年にと 私の好きなAfrican Americanの重鎮が次々とお亡くなり... このAlbumでは A Change Is Gonna Comeが感動の絶唱となるはずが Single仕様の短いものが収録。 感動もそれなりに留まってしまったのが実に残念です。

'05 No.1 30年前(1975年)の”いささか間が悪い”人々

 

Eric Andersen / Be True To You / 1975年 Stages:The Lost AlbumのMaster Tape紛失(後に発見され 1991年にやっと発売とのこと)に続き このAlbumはBruce Springsteen選手のBorn To Runと同じ年に発売と 災難続きとしか言いようがありません。 まさに自民党の守旧派というところで どんなに愛を語っても 疾走するSprinsteenを前にしては明らかに分が悪く 新旧交代を印象付ける形に。 とは申すものの ジャックス / からっぽの世界,モップス / ブラインド・バード,村八分 / あっなどを想起させる Deaf, Dumb, Blind3連発のLiza, Light The Candleが心に滲みます。

 

Rowans / The Rowans / 1975年 入団したAsylum Labelにとって この年はEaglesのOne Of These Nightが大当たり。 さぞや笑いの止まらない年だったと。 マリナーズのイチロー外野手と木田投手の関係をついつい連想してしまいますが 当然 こちらのDebut盤が話題になることは殆どありませんでした。 Folk畑で培われた軽み・開放感も 時代の閉塞感を打ち破るまでには至らなかったということかも。 Eric Andersen / Liza, Light The Candleとは少し意味合いが違いますが 憂歌団 / おそうじオバチャン同様に 政治的に正しくないTitleと思われるBeggar In Bluejeansが心に滲みます。

 

Sparks / Indiscreet / 1975年 芸風の似通ったQueen / A Night At The Operaと同じ年というのが不幸でしたね。 ナポリ サン・カルロ歌劇場初来日公演(オーチャード・ホール S席5万8千円)と美少女戦士セーラームーン(サンシャイン劇場 S席5千8百円)ほどの違いが。 スリー・キャッツ / 黄色いサクランボ,ムーンライダーズ / マスカット・ココナッツ・バナナ・メロン,中原めいこ / 君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだねを連想させるPineapple。 そして月亭可朝 / 嘆きのボインを思わせる性差別的なTits。 すっかり際物扱いしてしまいましたが すれすれのおしゃれ?な感性が好いです。

 

Streetwalkers / Streetwalkers / 1975年 Bad Companyがシャネル銀座店のように華々しく登場した時 戸越銀座の衣料品店の新装開店のように登場。 この方達が話題になることはとうとうありませんでした。 前作Chapman Whitneyで提示された独特のうねりで押し寄せる(時節柄 「津波のように」という表現は差し控えさせていただきますが...)音の壁が 一層強調されています。 そして次のRed Cardでは 1977年DebutのDetectiveと共に HR/HMの発展型を垣間見たような気がしたのですが どちらもPunkの渦に飲み込まれてしまった形。(こちらも「津波に」という表現は差し控えました)

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