索引は こちらです

    

A・・

作者名順ですが 通り名順で 苗字順ではありません 例アガサ・クリスティーはア行です

タイトル

著者

発行所

発行年

主人公

主人公の経歴

備考

ABC・・

赤い館の秘密

A・A・ミルン

集英社

1998

アントニー・ギリンガム

素人探偵

15年ぶりに豪州より帰国した兄が 館の主である弟に殺され その主も行方不明に 密室に加え秘密の抜け穴 語り部というべき探偵の友人が良い

十二人目の陪審員

B・M・ギル

早川書房

1991

ロバート・クイン

陪審員

テレビキャスターが妻殺しの容疑で裁判にかけられる法廷物 陪審員の心理描写が面白かった そしてラストの警察への電話にちょっと驚きました

悪魔はすぐそこに

D・M・ディヴァイン

東京創元社

2007

ピーター・ブリーム

ハードゲート大学数学科講師

横領の嫌疑をかけられた大学の上級講師が自宅で謎のガス中毒死。 どうやら8年前女性スキャンダルで失脚した天才数学教授の事件が関連しているようです。 正にお作法に則った展開なので読み易いです。 丹波「グッパ連発」義隆さんや黒澤「千秋実門前払い」久雄さんや長嶋「勘違い」一茂くんや林家「結局こぶ平」正蔵くんや「所詮いっ平」三平くんたちのように 天才数学教授を父に持ち いじけ気味の主人公ピーター・ブリームくんに少しイライラしていたのですが...

ウォリス家の殺人

D・M・ディヴァイン

東京創元社

2008

モーリス・スレイター

歴史学者

「悪魔はすぐそこに」が面白かったので。 地味な学究生活を送る主人公が 幼馴染の売れっ子作家の家に招待されます。 実はやはり旧知の作家の妻から夫の様子を心配しての訪問依頼。 どうやら作家とその兄との確執が原因とのこと。 その上 主人公の息子と作家の娘の婚約も気にかかる様子など かなり濃密な人間関係。 そしてとうとう 兄の住まいで傷害事件の痕跡を残しつつ 兄弟が消息不明に。 読み応えは充分。

災厄の紳士

D・M・ディヴァイン

東京創元社

2009

ネヴィル・リチャードソン

ジゴロの青年

主人公は羽賀くんや押尾くんや高相くんのように中身の薄い青年。 見た目は美男子なのでジゴロ稼業で糊口を凌ぐ生活。 そしてさる筋よりの「有名作家の娘を誑し込んで欲しい」との話に乗ってしまいます。 実は奥さんがいるのですが 主人公には勿体ないほどの女性。 とはいえ結末は なにやら最近の事件を...

赤毛のレドメイン家

E・フィルポッツ

集英社

1999

ピーター・ギャンズ

引退した刑事

今は英国とイタリアに別れて暮らすレドメイン家の関係者が命を狙われ レドメイン兄弟のうち行方不明の末っ子に嫌疑がかかります ブレンドン刑事は 夫を殺された長兄の娘に 恋心を抱きつつ捜査を担当 ブレンドンの無能振りがちょっと可哀相

クロイドン発12時30分

F・W・クロフツ 

東京創元社

1959

フレンチ

ロンドン警視庁の警部

飛行機内で資産家の老人が毒殺されます。 犯人の犯行手法とアリバイ工作が詳細に語られる倒叙推理小説。 犯罪心理を綿密にたどるというところがないので 今の人にはちょっと物足りないかも。 何故か 私の記憶の中では 犯人は被害者の娘婿だった・・・ 思い込みは怖いです。  

F.W.クロフツ

東京創元社

1965

ポワラック

会社専務

仏から荷揚げされた樽に女性の死体と金貨が アリバイ崩しを堪能

フレンチ警部と紫の鎌

F・W・クロフツ

東京創元社

1972

ジョジフ・フレンチ

スコットランド・ヤード警部

映画館で切符売りをしている女性が 罠にはまり犯罪の手助けをさせられ フレンチ警部に助けを求めます。 警部が安全を確約したにもかかわらず 彼女は死亡。 捜査が進むにつれ 同様の事件が何件かあることが判明し 犯罪組織の解明に注力。 現代なら 栃木リンチ殺人事件や桶川ストーカー殺人事件のように初動捜査の不手際などと批判にさらされ 警部もマスコミ対応に追われて捜査どころではなかったかも...

フレンチ警部最大の事件

F・W・クロフツ

東京創元社

1975

フレンチ警部

ロンドン警視庁捜査課員

ダイアモンド商社に強盗が入り 老支配人が殺され 金庫のダイアモンドがなくなりました。こつこつと若干遠回りをしながらも着実に真相に迫るフレンチ警部。 近年のベトナム帰りのスーパーマンに食傷気味だったので 楽しく読了。 警部の夫人が頼もしい。

ブラウン神父の童心

G・K・チェスタトン

東京創元社

1982

ブラウン

ローマ・カトリック神父

ブラウン神父は小柄で童顔の質朴で貧相なお坊さん ただ日常的に 人の死や心の罪に接しているため観察力や分析力は並外れています また素人探偵で職業柄か 法の裁きをすべてと考えていないところが魅力でしょう 推理過程はもちろんのこと”イズレル・ガウの誉れ”や”サラディン公の罪””折れた剣”などの独特の人物像にも惹かれます

マハーラージャ殺し

H・R・F・キーティング

早川書房

1986

ハワード

警視

鳥打ちをしていたマハラジャの銃が暴発などなど 浮世離れしたインドを舞台に 謎解きも古典的で好感 後のゴーテ警部のお父さんらしき人物も

バルコニーの男

M・シューヴァル
P・ヴァールー

角川書店

1971

マルティン・ベック

ストックホルム警察 殺人課主任警視

シリーズ第3作。 日本では最初に紹介された作品とのこと。 この頃からインガとはすれ違い気味の生活。連続少女誘拐殺人事件が発生。 捜査の過程で 別の辻強盗犯がその犯人を目撃している可能性が出てきて 二つの事件の捜査が併行して進んでゆきます。 順番どおり読んでいないので 行動派(肉体派?)ラーソンがベックと衝突する場面が新鮮でした。

笑う警官

M・シュバール
P・ヴァールー

角川書店

1972

マルティン・べック

警官

二階建てバスで何者かが銃を乱射 被害者の一人は警官 組織だって行なう捜査の描写がリアルで惹き込まれます

消えた消防車

M・シュバール
P・ヴァールー

角川書店

1973

マルティン・べック

警官

警官が張り込みしていたアパートが爆発 中々消防車が到着しません ところで作者も胃腸が弱く風邪を引きやすい人だったんでしょうか

ロゼアンナ

M・シュバール
P・ヴァールー

角川書店

1975

マルティン・べック

警官

シリーズ最初の作品 旅行中の米国女性が殺されるが 米国警察との連絡方法に現在との落差を感じ 感慨深い その一方で 当時のスウェーデンの社会成熟度に驚愕

蒸発した男

M・シュヴァル
P・ヴァールー

角川書店

1977

マルティン・ベック

主任警視

ハンガリーを取材中のジャーナリストがゆくえ不明に。 微妙な政治情勢の中 ベックが単身行方を探す。 冷戦時代のブタペストの情景が興味深かった。 

サボイ・ホテルの殺人

M・シュバール
P・ヴァールー

角川書店

1982

マルティン・べック

警官

マルメのサボイホテルで財界の大物が暗殺される 武器密輸なども関係し 政治的思惑が絡みベック達の捜査も雑音が多くやりにくそう ラーソンが10年以上合っていなかった妹と再会し即喧嘩したり だめ警官クヴァントとクリスチャンソンを罵倒するなど傍若無人振り発揮   

唾棄すべき男

M・シュバール
P・ヴァールー

角川書店

1982

マルティン・べック

警官

ある意味では模範的な警官が惨殺され 過去の行状が明るみに 組織としての暴力性に視点が置かれたちょっと毛色の異なる作品 ベック撃たれて大怪我 

密室

M・シュバール
P・ヴァールー

角川書店

1983

マルティン・べック

警官

怪我が治ったばかりのベックは 孤独な老人の変死事件を担当 初動捜査のずさんさが発覚 同時に連続強盗事件発生 不条理な結末だが不思議な読了感があります

テロリスト

M・シュヴァル
P・ヴァールー

角川書店

1983

マルティン・ベック

主任警視

タカ派米国上院議員の来訪にあたり テロの噂が。 ベックが特別警護の責任者となり 見事な警備振りを示しますが... シリーズ最後と言う事で オールスターキャストが楽しめます。 特にだめ警官クリスチャンソンやサクリソンがいい味を出しております。

警官殺し

M・シューヴァル
P・ヴァールー

角川書店

1983

マルティン・ベック

主任警視

郊外に住む離婚歴のある女性が失踪。ベックとコルべりが担当に。その近所には第一作「ロゼアンナ」における犯人が刑期を終えて住んでいたため 容疑が彼に。さらに第二作「蒸発した男」の犯人も記者として登場とは! なかなか捜査は進展しませんが 別の警官が殺された事件に コルベリは駆り出されることに。今回はコルベリの生き方に焦点が。退職願はまだ読んでいません...

わが職業は死

P・D・ジェイムス

早川書房

1990

アダム・ダルグリッシュ

警視長

優秀ながら敵も多い法科学研究所の生物部長が研究所内で殺害されます。親類に同僚そして部下と動機のありそうな人がそれぞれに活写されています。密室ものでもあり 謎の数字も登場するなど楽しめました。受付係の女の子がお気に入りです。

策謀と欲望

P・D・ジェイムズ

早川書房

1990

アダム・ダルグリッシュ

警視長

警視は叔母の遺産である風車小屋で休暇を過ごす 近隣の原子力発電所を舞台に殺人事件が発生 登場人物の描写が丁寧です

ナイチンゲールの屍衣

P・D・ジェイムズ

早川書房

1991

アダム・ダルグリッシュ

主任警視

看護婦養成所での殺人 ジェイムズ女史は看護婦経験がありますので 寮生活などの描写がとてもリアルです ナチの戦争犯罪が下地に

死の味

P・D・ジェイムズ

早川書房

1996

アダム・ダルグリッシュ

警視長

準男爵の死と周辺で起きた怪死事件のつながり 秘蹟はじめ宗教色が濃厚 更に女性警部ケイトの祖母の死が重い

女には向かない職業

P・D・ジェイムズ

早川書房

1987

コーデリア・グレイ

私立探偵

他の女性探偵物が 家や持ち物で性格描写を補完する傾向が強い中 女史の筆力を感じます ダルグリッシュに訴える311ページが実に良い

皮膚の下の頭蓋骨

P・D・ジェイムズ

早川書房

1987

コーデリア・グレイ

私立探偵

孤島での古典劇に出演する女優の身辺警護 一番悪いのは誰なのか 単純な私には若干読了感に欠けますが コーデリアを応援しつつ読みました

クリスマスのフロスト

R・D・ウィングフィールド

東京創元社

1994

ジャック・フロスト

警部

アレン警部やマレット署長と何時も戦っている我々の年代はついフロストを弁護したくなります ただ振り回されるバーナード刑事の立場も考えねば 

フロスト日和

R・D・ウィングフィールド

東京創元社

1997

ジャック・フロスト

警部

またもトラブルや事件が同時多発 中間管理職は共感覚えます 駄目警官へのフォローなど 中々味があると思います

夜のフロスト

R・D・ウィングフィールド

東京創元社

2001

ジャック・フロスト

警部

老女を襲う切り裂き魔に墓地荒し。 更に嫌がらせの手紙と放火に少女の自殺と行方不明などなどデントン署は大忙し。 加えて流感が流行り 署は人手不足。 後半一気に事件が解決していくのはいつものとおり。 マレット署長は健在だが アレン警部は流感でお休み。 その分フロストの活躍が目立ち なかなか頼もしい。

夜明けのフロスト

R・D・ウィングフィールド

光文社

2005

ジャック・フロスト

警部

「ジャーロ」傑作短編アンソロジー3 クリスマス集。 先月(2008年5月)Cable TVのミステリ・チャンネルで放映されていた「フロスト警部」を見ているうち ついつい活字でも読みたくなってしまった次第。 エドワード・D・ホック、ナンシー・ピカード、レジナルド・ヒル、ビル・ブロンジーニ、ピーター・ラヴゼイといった手練の技を比較しつつ楽しむことが出来ました。

フロスト気質

R・D・ウィングフィールド

東京創元社

2008

ジャック・フロスト

デントン警察の警部

身代金目当ての少年誘拐事件の最中に別の少年の殺害事件に少女の誘拐事件も発生。 さらに少年の捜索中に腐乱死体が見つかり 水道工事を装う詐欺犯や幼児のいる家に忍び込み刃物で傷つけることに快感を覚える変質者が市中に出没。 この混沌とした制御不能の状態が 最終的には何とか収束していくのが 社会や家庭で同じような混沌とした状況下でのたうちまわっているお父さん・お母さんには救いなのですね。

ア行

アクロイド殺人事件

アガサ・クリスティ

角川書店

1957

エルキュール・ポワロ

私立探偵

子供の頃 友達が読んでいる本の途中に 犯人の書き込みをしたものです 犯人がわかった上で 犯人の発言などを吟味して行くのも結構面白い

オリエント急行殺人事件

アガサ・クリスティ

新潮社

1960

エルキュール・ポワロ

私立探偵

オリエント急行内での殺人 欧州をEurailpassで旅行した際 お金がなくて食堂車では一度もDinnerしませんでした それはさて置き犯人は誰と誰と誰と…・

ABC殺人事件

アガサ・クリスティ

新潮社

1960

エルキュール・ポワロ

私立探偵

アルファベット順に人が殺され(地名も)傍らには何時もABC鉄道案内が そしてポワロにもABCと名乗るものから挑戦状が 動機が鍵の様です

そして誰もいなくなった

アガサ・クリスティ

早川書房

1976

ウォーグレイブ

元判事

孤島で順々に人が死んで行きます そして最後には誰もいなくなります マザーグース 10人のインディアン

ホロー荘の殺人

アガサ・クリスティ

早川書房

1977

エルキュール・ポアロ

私立探偵

英国の田舎の館で 夫の死体の傍らで拳銃を持った女性が立ち尽くす 撃ったのはこの女性(被害者の妻)なのか

スタイルズ荘の怪事件

アガサ・クリスティ

早川書房

1982

エルキュール・ポワロ

私立探偵

第一時大戦最中負傷したヘイスティングは友人宅で療養 そこでベルギーから亡命した旧友ポアロと再会 ヘイスティング滞在先の女主人が毒殺されます ポアロ登場

ナイルに死す

アガサ・クリスティ

早川書房

1984

エルキュール・ポワロ

私立探偵

資産家の女性の新婚旅行に婚約者を奪われた女性が出現 ポアロは彼女をいさめるが ナイル河観光の様子が見事に描写されています 登場人物もそれぞれ魅力的

大鴉の啼く冬

アン・クリーヴス

東京創元社

2007

ジミー・ペレス

地元署の警部

シェトランド島の雪原で 教師の父と二人暮しの女子高校生の他殺体が発見されます。 未解決のままの8年前の少女失踪事件の際 容疑をかけられた男性に疑いの目が。 イギリス最北端の地の情景が見事に描かれ 思わず惹きこまれてしまいました。

毒入りチョコレート事件

アントニイ・バークリー

東京創元社

1971

ブローズ・チタウィック

犯罪研究会会員

友人から貰ったチョコレートを食べた実業家の夫人が死亡 犯人は誰の殺害が目的だったのか 犯罪研究会の会員6人がそれぞれの視点で事件を推理 犯人もその本当の狙いも 3人目の推理あたりで見当はついてしまいますが 構成が新鮮で各人の推理過程が面白かったです

ジャンピング・ジェニイ

アントニイ・バークリー

東京創元社

2009

ロジャー・シェリンガム

小説家 探偵

それぞれが有名な殺人者か犠牲者に扮するという悪趣味なパーティー。 皆から疎んじられていた女性が 飾り付けの絞首台の藁人形と入れ替わっていました。 主人公の迷探偵振りが実に愉快です。 嫌われ者が登場するとついつい感情移入してしまうのですが 流石の筆致というべきか 哀憐の情は微塵も...

第二の銃声

アントニイ・バークリー

東京創元社

 

2011

ロジャー・シェリンガム

作家。アマチュア探偵

野獣会か六本木ヒルズ族のような鼻持ちならぬ面々が 推理作家邸で他愛もない推理劇に興じますが 被害者役の若かりし頃の田中康夫さんのようなプレイボーイが射殺されてしまいます。 そして若かりし頃の宅八郎さんのような切手収集が趣味のオタク青年に嫌疑がかかり シェリンガムに助けを求めることに。 私は探偵小説の可能性云々という小難しいことは意識せず 男たちを巧みに操る4人の女性たちの手練手管を堪能しました。

黒と青

イアン・ランキン

早川書房

1998

ジョン・リーバス

クレイグミラー署犯罪捜査部警部

ローリング・ストーンズですね。 ロン・ウッドが加入したアルバムだと思います。 リーバス警部はロック好き。 北海石油掘削施設の労働者が転落死。 また60年代の絞殺魔が蘇り 更に当時担当した事件で服役中の男が獄中自殺。 ヴァン・モリソン,アレックス・ハーヴェイあたりを聞いていると楽しいかも… バナナのシールを剥がしていない云々も。

血の流れるままに

イアン・ランキン

早川書房

1999

ジョン・リーバス

セント・レナーズ署の警部

ストーンズのレット・イット・ブリードですね。 今度はミック・テイラーが加入したアルバムだと思います。 エジンバラ市長の娘が誘拐され追い詰められた誘拐犯二人が自殺。 更に区会議員の面前で元受刑者も自殺。 リーバスの捜査はスコットランドの政治経済の中枢に。 有力者と娘という関係は「黒と青」でもありましたね。 ライヴァルのフラワーがお気に入り。

首吊りの庭

イアン・ランキン

早川書房

1999

ジョン・リーバス

セント・レナーズ署の警部

今回は私のお気に入りザ・キュアの曲名がタイトル。 ギャングの抗争にナチスの戦争犯罪が絡みます。 その上リーバスの娘サミーが自動車にはねられて入院。 私も好きなLeonard Cohen / New Skin For The Old Ceremonyの曲が2曲登場。 英国人のランキンさん(当時10才位)にとって ワイト島のコンサートへの憧れはかなりのもの?

死せる魂

イアン・ランキン

早川書房

2000

ジョン・リーバス

セント・レナーズ署の警部

今度はジョイ・ディヴィジョンの曲がタイトルなので 70年代末から80年代初めの音楽が登場するものと期待していましたが  70年代初頭の音楽が中心でちょっと拍子抜け。 青少年の家出・児童養護施設での虐待・小児性愛者・連続殺人犯の帰国などの問題が取り上げられています。

蹲る骨

イアン・ランキン

早川書房

2001

ジョン・リーバス

セント・レナーズ署の警部

改修工事中の歴史的建造物から20年前の他殺死体が。 さらに数日後 地元の有力者でスコットランド議会の立候補予定者が近くで撲殺されます。 敵役の警察本部所属の警部はまったくロックには関心がない様子。 英国でも リーバス警部より こちらの警部さんの方が真っ当な社会人なのだろうと改めて思いました。 登場する楽曲などはこちらです。

イアン・ランキン

早川書房

2002

ジョン・リーバス

セント・レナーズ署の警部

銀行家の娘が失踪。ネット・ゲームが関係ありそうですが この分野にリーバスはお手上げの様子。「リーバス化」傾向の目立つシーボンが中心に。そしてリーバスは娘の邸宅付近で見つかった人形に固執。シーボンが大活躍で なかなか良い味を出しています。そろそろリーバスと交代? 今ひとつ彼女の音楽嗜好が 分らないのが不安ですが...

貧者の晩餐会

イアン・ランキン

早川書房

2004

リーバス警部他

セント・レナーズ署の警部

またもやローリング・ストーンズですが ブラック・アンド・ブルー(黒と青)同様 ベガーズ・バンケットををわざわざ日本語に翻訳する必要はないのでは。 事件の深刻度の違いでしょうか この短編集でのリーバス警部の方が親しみを感じます。 ブライアン・ジョーンズの死からギミーシェルターまでのローリング・ストーンズを中心に描いた「グリマー」などリーバス警部以外の作品もなかなか興味深く読むことが出来ました。

紐と十字架

イアン・ランキン

早川書房

2005

ジョン・リーバス

グレイト・ロンドン・ロード署の部長刑事

リーバス警部ものの第一作。 リーバスは41才で 既に妻とは離婚していて サミー(娘)は12才とのこと。 日本ではDebut作が後から登場した訳ですが Pink FloydやSoft Machineも認知されたのは以後の作品で ロック爺としてはそれ程違和感はありません。

影と陰

イアン・ランキン

早川書房

2006

ジョン・リーバス

グレイト・ロンドン・ロード署の警部

リーバス警部ものの第2作。 空き家に住み着いていた若者が麻薬過剰摂取で死亡。 死体の状況からカルト宗教絡みとの疑いも。 Beatlesの通称White Albumが登場しますが リーバスの部屋から聴こえてきたのは Helter Skelterだったのでしょうか...

殺しの儀式

ヴァル・マクダーミド

集英社

1997

キャロル・ジョーダン

女性警部補

次々残忍に殺される男性 男性の心理分析官と女性警部補が犯人を追います レクター氏は出てきませんがバッファロー・ビルならぬハンディ・アンディが大活躍

ロック・ビート・マンチェスター

ヴァル・マクダーミド

集英社

1998

ケイト・ブラナガン

私立探偵

90年代のマンチェスターが舞台。 ロック・スターが彼の昔のパートナーの捜索をケイトに依頼。 当然ハッピー・マンデイズやストーン・ロージズが出てくると思っていたら モリッシーの他はシンプリー・レッドやダイア・ストレイツと本流路線で少々拍子抜け。 私はいったい何の話を... 

処刑の方程式

ヴァル・マクダーミド

集英社

2000

ジョージ・ベネット

バクストン署警部

まるで中世のままのような閉鎖的な村で少女が行方不明に。 警察は死体なき殺人事件と断定。 そして少女の義理の父親が犯人として逮捕されます。 「殺しの儀式」は羊たちの沈黙の二番煎じのような印象で ハンディアンディにも馴染めず あまりピンと来なかったのですが これは面白かったです。 技の豊富な人ですね。

シャドウ・キラー

ヴァル・マクダーミド

集英社

2001

フィオナ・キャメロン

犯罪心理学者

久し振りに読んだ連続殺人犯・プロファイラー物という感じ。 ミステリー作家を狙う犯人が主人公の恋人(作家)に食指を伸ばします。 仕事に自信を持ち 強い意思を兼ね備えた女性主人公という性格付けが ちょっと古いかなという気も少し。  

殺しの迷路

ヴァル・マクダーミド

集英社

2004

キャロル・ジョーダン

ロンドン警視庁の女性警部

主人公のドイツ犯罪組織への潜入おとり捜査と恋人の心理学者も関わる連続殺人事件が同時進行。盛り沢山の内容ですが 組み立てが上手なのですんなり読むことが出来ます。ただもう一つの重要な娯楽要素と思しきキャロルの恋の行方には あまり興味がありません。私は P・コーンウェルの「検屍官もの(ケイ・スカーペッタ)」でも同じような感想を。

ハマースミスのうじ虫

ウィリアム・モール

東京創元社

2006

キャソン・デューカー

ワイン商

ロールスロイスに乗り 名門クラブに所属するする主人公の趣味は 犯罪者の行動原理を探求すること。 そして同じクラブの銀行家を事実無根の材料で脅迫した男に興味を持ちます。 上流階級に憧れる犯人を弄ぶようないじめ感覚が少し気になりますが じわじわ追い詰めていく過程はなかなか面白く拝読。

月長石

ウィルキー・コリンズ

東京創元社

1970

レイチェル・ヴェリンダー

ヴェリンダー家令嬢 

インドの秘宝黄色のダイヤをめぐるお話 レイチェル嬢は 誕生日にこのダイヤをプレゼントされるが盗まれてしまう どうも犯人をかばっている節もあり謎は深まります 狂信者のクラック女史が好きです 

猿来たりなば

エリザベス・フェラーズ

東京創元社

1998

トビー・ダイク

犯罪ジャーナリスト

誘拐事件の依頼におっとり刀で駆けつけてみれば被害者はお猿さん つかみ良好 ただ館の女主人の行方に気遣いがないのは 探偵コンビの性格付けもあろうがちょっと可愛そう 

自殺の殺人

エリザベス・フェラーズ

東京創元社

1998

トビー・ダイク

犯罪ジャーナリスト

博物館の館長が自殺を図り たまたま居合わせたトビー達に取り押さえられますが 翌日仕事場で死体となり発見されます 単なる自殺なのか 自殺に見せかけた殺人なのか 自殺に見せかけた殺人に見せかけた自殺なのか 今回もトビーの親友ジョージから目が離せない

細工は流々

エリザベス・フェラーズ

東京創元社

1999

トビー・ダイク

犯罪ジャーナリスト

トビーの女友達が深夜に訪ねてきて 「泊めて お金貸して」と困った様子。翌日 彼女はある邸宅で死んだと謎の電話。相棒のジョ−ジと押しかけた邸宅には随所に殺人の仕掛け。被害者の女性はなかなか魅力的ですが すぐ殺されてしまって残念です。ジョージの登場場面だけ読み返すのが好きです。

さまよえる未亡人たち

エリザベス・フェラーズ

東京創元社

2000

ロビン・ニコル

旅の青年

日本でもよく見かける熟年女性4人の旅行風景。 やはり英国でもかなり賑やかな様子。 登場人物を見ると 未亡人と称する割に夫がいる人が3人も。 子供まで登場して私は大混乱でした。

私が見たと蠅は言う

エリザベス・フェラーズ

早川書房

2004

ケイ・ブライアント

画家 夫と別居中

夫と別居して画家としての道を探る主人公は 安アパート暮らしをして一年。 住人が変わったばかりのお隣さんの床下からピストルが発見され その銃で その部屋に住んでいた女性が殺されていたことが分ります。 NHKの「ちゅらさん」の下宿屋さんの住人をつい思い浮かべてしまいました。

聖女の遺骨求む

エリス・ピータース

社会思想社

1990

カドフェル

修道士

修道士カドフェルシリーズ。 12世紀半ばのウェールズに程近いイングランドの修道院が舞台。 上昇指向の強い副院長をリーダーに聖人の遺骨を求め ウェールズの山村へ。 なかなか魅力的な若者達が登場。 カドフェルは あのブッシュが好きでビンラディンが大嫌いな十字軍に参加経験あり。 

死体が多すぎる

エリス・ピータース

社会思想社

1991

カドフェル

修道士

スティーブン王と女帝モードの争いの中 シュールズべり城でも激しい戦闘。 そして陥落した城の守備隊の処刑人数より一体多い死体が残されました。 挿入された若者の恋物語がなかなか魅力的。  

修道士の頭巾

エリス・ピータース

社会思想社

1991

カドフェル

修道士

荘園を寄贈し修道院内に永代居住する男が カドフェルが調合した薬によって毒殺されます。 そしてその未亡人は昔カドフェルが愛した人でした。 さらに未亡人の息子が疑われることになり カドフェルが調査に乗り出します。 私は未亡人にそれほど魅力を感じることができませんでした...   

死への婚礼

エリス・ピーターズ

社会思想社

1991

カドフェル

修道士

十字軍騎士の孫で 莫大な資産を相続した18才の娘が 後見人の伯父伯母の思惑で 初老男性と結婚させられることに。 ところが結婚式の直前 花婿が殺され娘と相思相愛だった青年(男性の従者)に嫌疑が。 話の展開は予想通りなのですが 作者の未熟な若者たちに対する暖かい眼が感じられ 心地よい読後感。

悪魔の見習い修道士

エリス・ピータース

社会思想社

1992

カドフェル

修道士

ある荘園主の息子が見習い修道士として修道院に。 夜中にうなされたり一刻も早く一人前になりたいと焦っている様子が見受けられるなど謎の多い人物で 司教の使者を殺した疑いがかかります。 親子に兄弟 そして男女間の愛のあり方が月並みながら隠し味。 

デーン人の夏

エリス・ピーターズ

社会思想社

1995

カドフェル

修道士

かつて薬草園で働いていたマークが 司教の命を受け カドフェルの故郷ウェールズへ行くことになり カドフェルも通訳として同行。 領主一族の骨肉の争いや父の意向による結婚を忌避する娘の失踪などが立て続けに。 そして一族の争いに登場するのがデーン人の船団。 熊野水軍を連想してしまいましたが あくまで契約を重んじるところが面白かったです。

聖ペテロ祭殺人事件

エリス・ピーターズ

光文社

2003

カドフェル

修道士

修道院と町当局との間に聖ペテロの祭開催権益をめぐる騒動が持ち上がり 一人の商人が 死亡します。 その後も その商人の周辺で不穏な動きが次々と... いつもながら爺の私は 町長の息子など 登場する若者の行動にいらいらさせら れるのですが 今般の殺された商人の娘さんは 中々さわやかで好印象でした。

氷の中の処女

エリス・ピーターズ

光文社

2003

カドフェル

修道士

戦乱を逃れさまよううちに行方不明となった貴族姉弟。 そしてカドフェルはその弟を保護しますが 氷の中に閉じ込められた美女を発見することに。 無軌道で未熟な姉弟に少し苛立ちを覚えました。 私は作者と異なり 基本的に若者が嫌いなのかもしれません。

秘跡

エリス・ピーターズ

光文社

2004

カドフェル

修道士

戦乱で修道院を焼け出された修道士2人がカドフェルの修道院に疎開。 1人は元十字軍勇士ながら当時の刀傷から相当衰弱。 そして 口をきけぬ若い修道士が献身的に身の回りの世話を。 そして元勇士は かつての許婚のことを気に掛けている様子。 いつの間にか「死の婚礼」で語られる十字軍兵士と混同。 展開はある程度想像のつくものですが 当時の結婚観が興味深かったです。

ハルイン修道士の告白

エリス・ピーターズ

光文社

2005

カドフェル

修道士

大怪我をした修道士が死を覚悟し 恋人に堕胎薬を与え 死なせてしまった過去を懺悔。 な んとか命はとりとめ 死んだ恋人の墓参を希望。 カドフェルの調合した薬だったこともあり カドフェルもその贖罪の旅に付き添うことに。 そして辿り着 いた先で 妙に過去に符合した恋愛騒動に巻き込まれます。 話は予想通りの展開ですが 救いがあって好いですね。

陶工の畑

エリス・ピーターズ

光文社

2005

カドフェル

修道士

新たにシュルーズべリ修道院のものとなった土地の開墾中に女性の白骨死体を発見。 以前 その地で暮らしていた修道士の妻ではと疑惑の眼が彼に。 ところが別の見習い修道士がその妻の生存を証言し 事態はますます混沌と...事態は二転三転するのですが 展開に無理がないため 割合すんなりと受け入れることが出来ました。

背教者カドフェル

エリス・ピーターズ

光文社

2006

カドフェル

修道士

修道士カドフェルシリーズの最終巻。 1145年スティーブンとモードの王位を巡る争いの中で カドフェルの実子が捕虜となっているとの知らせ。 カドフェルは戒律を破り 和平会議の行われているコヴェントリーへ息子の救出の為に赴きます。 日本では 武家の台頭するきっかけとなった保元・平治の乱の少し前になりますか...

修道士カドフェルの出現

エリス・ピーターズ

光文社

2006

カドフェル

修道士

短編集。カドフェルが信仰の道へ辿り着く過程を描いた「ウッドストックへの道」などなど。解説のカドフェル誕生や付録の修道士カドフェル・シリーズ:ガイドが楽しいです。 少なくとも「広辞苑」に付いている「一日一語」や再・再・再発売CDのボーナス・トラックより...

グリーン・サークル事件

エリック・アンブラー

東京創元社

2008

マイクル・ハウエル

実業家

一介の民間人に過ぎぬ主人公が ビジネスマンとしての流儀を貫きつつ パレスチナ過激派ゲリラと対峙することに。 1972年の作品で ミュンヘン事件(黒い九月)を予見したとのこと。 ただアメリカ同時多発テロ以降の今日 中東を取り巻く情勢は大きく変化。 ゲリラの描写など若干古さを感じてしまうのは このような実話仕立ての作品の宿命で致し方ないか... その意味では荒唐無稽なものの方が劣化は少ないようです。

カ行

赤後家の殺人

カーター・ディクスン

東京創元社

1960

ヘンリ・メリヴェル

元軍人・弁護士

仏革命時 絞刑吏の家に伝わる伝説 過去150年に四人が謎の死を遂げた部屋でまた一人が死亡 いったい部屋が人を殺せるものかね という密室もの

爬虫類館の殺人

カーター・ディクスン

東京創元社

1960

ヘンリ・メリヴェル

英陸軍諜報部長

第二次大戦中毒蛇などを集めた爬虫類館で起きた密室殺人 奇術が隠し味になり中々興味深い

白い僧院の殺人

カーター・ディクスン

東京創元社

1977

ヘンリ・メリヴェル

英政府高官

雪に囲まれた館での殺人 雪の上の足跡はどう解釈すれば良いのでしょうか あっという間に殺された女優がなかなか興味深い

黄色い部屋の謎

ガストン・ルルー

東京創元社

1965

ルールタビーユ

新聞記者

古色蒼然とした密室殺人未遂ものですが ラルサン氏とルールタビーユの推理合戦と意外な犯人につい引き込まれてしまいます

黒衣婦人の香り

ガストン・ルルー

東京創元社

1976

ルールタビーユ

新聞記者

黄色い部屋の謎を読むとつい読みたくなってしまう 後日談 続きと割り切って読むべきでしょう

わらの女

カトリーヌ・アルレー

東京創元社

1964

ヒルデガルデ・マエナー

ハンブルグ生まれの女

億万長者が結婚相手を新聞広告で募集。 これに応募した主人公は ある計画を持ち掛けられます。 首尾良く結婚した彼女ですが とんでもない犯罪に巻き込まれてしまいます。 冷徹に主人公を描写しているため 主人公に感情移入することなく読めますが 現代の女性観では 到底受け入れがたい結末では。

風の影

カルロス・ルイス・サフォン

集英社

2006

ダニエル

バルセロナの少年

謎の作家に強く惹かれた主人公が その実像に迫ろうとその足跡を辿ることに。 その過程で 彼の本を探している謎の男や 今は刑事部長だがかつては暗殺者として知られていた男などと遭遇することに。 19世紀末から内戦を経てフランコ独裁の時代までのバルセロナが活写。 「ハンニバル」のフィレンツェ以上に魅惑的で あっという間に読了。 

もっとも危険なゲーム

ギャビン・ライアル

早川書房

1976

ビル・ケアリ

パイロット

フィンランド奥地 スパイに金貨の密輸 そして最も危険なゲーム 盛り沢山の内容の背景に 欧州大戦をひきずる 

深夜プラス1

ギャビン・ライアル

早川書房

1976

ルイス・ケイン

元レジスタンス

元情報部員がいわく付きの二人の護送を請け負う アル中ガンマンがボディガードに シトロエンDSとロールスが疾走 最後のガンマンのこだわりが泣かせる

ジェゼベルの死

クリスチアナ・ブランド

早川書房

1979

イゼベル(ジェゼベル)・ドルー

男に寄生して暮らす中年女

素人演劇の上演中 主役の女性が舞台装置の塔から転落死亡。 衆人環視の中での密室殺人ですね。 あっけなく殺される女性は 登場人物の記述によれば「男に寄生して暮らす中年女」とのこと。 確かに災いをふりまく「林真須美さん」のような嫌われ者ですが もう少し表現の仕方があるのではと思いました。 結構慎ましい暮らし振りですし...

招かれざる客たちのビュッフェ

クリスチアナ・ブランド

東京創元社

1990

コックリル他

警部

短編集です ”血兄弟”や”婚姻飛翔””カップの中の毒””もう山査子摘みもおしまい””囁き”などちょっと残酷で皮肉な結末がなかなか良い また”スケープゴート”や”スコットランドの姪””ジェミニー・クリケット事件”のような短編ならではのおしゃれな結末・ストーリー展開に脱帽です

暗闇の薔薇

クリスチアナ・ブランド

東京創元社

1994

サリー・モーン

元映画女優

ただ1度の映画出演ながら 伝説的な映画女優の周りには様々な取巻きが。 ただ当人は何者かの尾行に脅えるなど 些か精神的に不安定。 嵐の夜 巨木が倒れ行く手が塞がれ 折も折 反対側に居た男性と車を交換することに。 そして後日 車に死体が。 取巻きの人々が段々と彼女のもとを去っていく過程がじわじわと恐怖心を煽ります。 葉月里緒奈さんや華原朋美さんをうっかり想起してしまいましたが むしろ篠原ともえやベッキーに見られる過剰で危うい元気さに近いか。

はなれわざ

クリスチアナ・ブランド

早川書房

2003

コックリル

スコットランド・ヤードの警部

警部は休暇でイタリア周遊旅行へ。 そして当然ツアー客の一人が殺されることに。 女流推理小説作家にデザイナーなどツアー参加者は 夫々何か秘密を抱えているようです。 結局登場人物は皆怪しく 犯人探しを堪能できました。 

疑惑の霧

クリスチアナ・ブランド

早川書房

2004

コックリル

警部

ロンドンの深い霧の中 ある家を訪問していた仏人が撲殺されました。 家人や関係者はお互いを慮り 本当のことは語っていない様子が。 なぜか中々一気に読むことができませんでした。 ある程度予測のつく筋立ての割に 展開が遅すぎるような感じが少し。 というよりヒロインと思しき女性が どうにも好きになれなかったということのようです。

緋色の研究

コナン・ドイル

東京創元社

1960

シャーロック・ホームズ

私立探偵

インド従軍で負傷帰国したワトスンは ロンドンで下宿の同居人を探していたところ ホームズ氏が登場します 空家で発見された死体の謎を モルモン教を絡めて解明

ウッドストック行最終バス

コリン・デクスター

早川書房

1988

モース

主任警部

二人の娘がヒッチハイクでウッドストックへ向かいますが一人が死体となって発見されます 彼女の行動を追い モースが次々繰り出す推理は外れるが 本筋を凌ぐ 

キドリントンから消えた娘

コリン・デクスター

早川書房

1989

モース

主任警部

失踪した少女からの手紙をきっかけに殺人事件が バレリー嬢がなかなか魅力的 振りまわされるモースも良い またも怒涛の推理は二転三転

二コラス・クインの静かな世界

コリン・デクスター

早川書房

1990

モース

主任警部

選定を誤ったこともあり気持ちの良い読了感を得られない中 前々から積読状態だったこの無難に思えた作品を読んでみました。 海外学力検定試験委員会・審議員(極度の難聴)が自宅で毒殺されます。 「静寂の叫び」を読んだ後だったので 読唇術の記述に物足りなさを覚えました。

死者たちの礼拝

コリン・デクスター

早川書房

1992

モース

主任警部

教会で殺人事件が頻発 宿敵ベル警部に代り モースが乗り出す ルイスさんがわがままなモースをよく面倒見てるなあと感心

ジェリコ街の女

コリン・デクスター

早川書房

1993

モース

主任警部

モースがパーティーで出会った女性に会いに言ったところ彼女は殺されていました モースの恋はいったい何時 実るのだろう 

別館三号室の男

コリン・デクスター

早川書房

1994

モース

主任警部

大晦日から新年にかけて お祭り騒ぎを繰り広げるホテル その一室で 仮装パーティーのラスタファリ衣装のまま 一人の男が撲殺されていました 新年パーティーの様子が楽しかった

オックスフォード運河の殺人

コリン・デクスター

早川書房

1996

モース

主任警部

胃潰瘍で入院したモースは 同床だった患者の記した過去の殺人事件に興味を抱く 勿論ルイスと女性を巻き込み得意の推理を披露 事件自体が時系列に整理されているので いつもより読みやすく 彼の推理にも楽に付いて行けました

消えた装身具

コリン・デクスター

早川書房

1997

モース

主任警部

オックスフォード観光ツアー中の女性が心臓麻痺で急死し 博物館に寄贈するはずの歴史的価値のある装身具が紛失。 作者の好みでしょうか またしても学者さんたちが俗物ぶりを発揮。 

死はわが隣人

コリン・デクスター

早川書房

1998

モース

主任警部

大学近くの閑静な住宅街で女性が射殺されます。 捜査の過程で 大学の学寮長選挙に絡む人違いの可能性が濃厚に。 モースのファーストネームが明かに。 モースの糖尿病が悪化しているようで心配ですが それも事件を解く鍵の一つに。 

森を抜ける道

コリン・デクスター

早川書房

1998

モース

主任警部

新聞社に送られた詩から未解決のスウェーデン娘失踪事件に注目が集まり モースが事件を担当 モースの推理が冴え死体が発見されるがそこからまたも事件は複雑化 それにしてもモースの教養の質の高さは明治の日本の文豪達のようですね 

モース警部、最大の事件

コリン・デクスター

早川書房

1999

モース

主任警部

短編集です。 モース物しか知らなかったので 「エヴァンス、初級ドイツ語を試みる」とか背景にちらっとモースの影が見える「偽者」や「ドードーは死んだ」等が新鮮でした。

カインの娘たち

コリン・デクスター

早川書房

2000

モース

主任警部

モースは 大学の特別研究員が殺された事件を同僚から引き継ぎます。 そして容疑者が比較的簡単に浮かび上がりますが 居所がなかなか掴めません。 モースの体調はますます悪化。 

悔恨の日

コリン・デクスター

早川書房

2002

モース

主任警部

病気療養中のモースは ストレンジ主任警視に依頼され 迷宮入りになりかけていた看護婦殺人事件の捜査を。 どうもモースはこの看護婦さんを知っていた様子。 とうとうモースも退場。 貴乃花やお兄ちゃんの引き際と比較すると 残念ではありますが見事です。

サ行

半身

サラ・ウォーターズ

東京創元社

2003

マーガレット・ブライア

慰問の婦人

令嬢が監獄に慰問に訪れうち 詐欺と暴行で捕らえられた女霊媒師に心惹かれるように。 19世紀の監獄や降霊術と色調が暗く 少々読了に苦戦。 ただ読み終えてみると ついつい様々な場面を読み直してしまいました。 作者の術中に嵌ったようですね。

荊の城

サラ・ウォーターズ

東京創元社

2004

スーザン(スウ)・トリンダー

掏摸

1860年頃のロンドン。 俗世と隔絶された生活をおくる世間知らずの令嬢を誑かして財産を奪い取る計画が。 そして掏摸を生業とする少女が 侍女として送り込まれることに。 ほぼ計画通りに事が運ぶのですが 計画を知った後 延々と中盤までその進捗状況が語られるのに少しウンザリし 読み進むのに苦戦。(その後の展開は見事ですが...)日本では 丁度生麦事件の頃のようです。

最上の地

サラ・デュナント

講談社

1994

ハンナ・ウルフ

私立探偵

主人公は いかにも女性探偵に相応しい(屈辱的な)14才の少女の付き添いという仕事を引き受ける羽目に。 ようやく家に送り届けたのですが 父親の車が爆発し少女は父の身代わりとなって爆死。 製薬会社の研究者である父親が狙われた理由を探ることに。 ひねりがないので読みやすく少し物足りないくらいですが ハンナがなかなか魅力的。 

Mr.クイン

シェイマス・スミス

早川書房

2000

ジェラード・クイン

犯罪プランナー

「わが名はレッド」が妙に印象に残り ついつい遡って読んでしまいました。 主人公は アイルランドのダブリンを根城に活躍する犯罪プランナー。 反英思想に根ざしたゴリゴリの反体制小説ということではなく 門外漢でも かなり痛快な読了感を味わうことが出来ました。

わが名はレッド

シェイマス・スミス

早川書房

2002

レッド・ドック

犯罪組織のブレーン

幼児期に弟とともに捨てられ あらゆる辛酸を舐め尽した主人公が復讐を。 同じ犯罪プランナーのパーカーに比べて 随分と情緒的で古風な主人公ですね。 私としては ライヴァルのピカソ君の方に惹かれてしまいました。 話の筋立て自体は面白く 一気に読了。 でもすぐ忘れてしまいそうな気も少し。

名無しのヒル

シェイマス・スミス

早川書房

2004

マイケル・ヒル

アイルランドの青年

北アイルランドでインターメント(本書では予備拘禁)が導入されていた時期。 主人公が捕まったのが1972年5月なので 「流血の日曜日(1972年1月30日)」の直後か。 絶望的な収容所生活の中で 描かれる青春に思いがけず感動。 今まで今ひとつ理解できなかったアイルランド問題に少しだけ近づくことが出来たような気がしました。

百万ドルをとり返せ

ジェフリー・アーチャー

新潮社

1977

ハーヴェイ・メトカーフ

一代でのし上がった億万長者

億万長者にしてやられた4人組が それぞれの専門を生かして 盗られたお金を取り返す計画を 人が死なないし ハッピーエンドで誰も傷つかないし どんでん返しがあるし おしゃれだし

追われる男

ジェフリー・ハウスホールド

東京創元社

2002

わたし

X階級の男

ついつい「ジャック・ヒギンズ / 鷲は舞い降りた 」と比較してしまい 読み終えることの出来なかった作品。 別にヒットラー狙撃よりチャーチル暗殺計画の方が興味深かったというわけではありません。 シブミ同様洞窟が登場 どうやら私は地下の閉塞感が苦手のようです。

飛蝗の農場

ジェレミー・ドロンフィールド

東京創元社

2002

キャロル・パーシヴァル

農場主

飛蝗という字が書けるようになりました。 主人公と親友。記憶喪失と称する男と彼を追いかける謎の男。 主要人物は4人なのですが 老化の進んだ私には時制が込み入っていて 読み進むのにちょっと苦労しました。

鷲は舞い降りた

ジャック・ヒギンズ

早川書房

1997

クルト・シュタイナ

独逸軍人

独逸軍による常識的には無鉄砲に思えるチャーチル暗殺計画 単純に悪役として独逸軍を描いていないところが良い

嵐の眼

ジャック・ヒギンズ

早川書房

1997

マーティン・ブロスナン

大学教授

イラク 怒らない?

時の娘

ジョセフィン・テイ

早川書房

1977

アラン・グラント

ロンドン警視庁の警部

歴史ミステリーの古典的名作とのこと。 捕り物の最中マンホールに落ち 入院生活をおくる主人公。 退屈しのぎに 甥の2人の王子を殺して王になったとされるリチャード三世の真の姿を探ってみることに。 リチャードはエドワード4世の娘エリザベスとの結婚を考えたそうな。 リチャードが王になったのが1483年 丁度日本は足利義政の正室日野富子が大活躍の頃。

黄色い犬

ジョルジュ・シムノン

角川書店

1963

メグレ

警部補

ブルターニュ地方の漁港の有力者達が次々狙われ 傍らに汚れた黄色い犬と大男の影がちらつく メグレは何もかもお見通しのようです 港町の情景が好き

メグレと婦人

ジョルジュ・シムノン

早川書房

1976

メグレ

警視

老婦人がメグレ部屋を訪れ 自分の身代わりにメイドが毒殺されたと主張する事件の捜査を依頼。 犯人の犯行動機が新鮮でした。

メグレ警視

ジョルジュ・シムノン

集英社

1997

メグレ

警視

宿屋さんや酒場の情景 そしてそこに集う人々が見事に描写されていると思います ”街中の男”の執拗な尾行を受ける男や”ホテル(北極星)”で尋問を受ける娘さんと警視とのやりとりが好きです

メグレと殺人者たち

ジョルジュ・シムノン

河出書房新社

2000

メグレ

司法警察局警視

奥さんがメグレを知っていると称する「ニーヌの亭主」という男から 警視ご指名の電話が。 何者かに付け狙われているので 助けて欲しいとのこと。 半信半疑ながらも対応するうち次第に緊迫の度合を増し 連絡が途切れ未明に死亡との一報が警視の許へ。 「ニーヌの亭主」の身元割り出しから犯人逮捕まで 丹念な捜査にいつもながら感心。 

モンマルトルのメグレ

ジョルジュ・シムノン

河出書房新社

2000

メグレ

司法警察局警視

殺人計画を偶然耳にしたと届け出た踊り子さんが サン・ジョルジュ署管内から警察局へ廻されてきましたが 帰宅後絞殺死体で発見。 さらにその後 供述通りの事件が発生。 お巡りさんやキャバレー経営者夫婦や従業員の人々が中々魅力的でした。

メグレと老婦人の謎

ジョルジュ・シムノン

河出書房新社

2001

メグレ

司法警察局警視

楚々とした老婦人が 留守中何者かが自宅に侵入しているとの訴えをメグレに 。 そしてメグレが訪ねる直前に 老婦人は侵入者と鉢合わせしてしまったのか 殺されてしまいます。 夫婦の会話や旧友のマレラ警視宅でマレラの子供と話をする場面など  作者ともども円熟期に達し 老境に向かう寂しさが漂っています。 ちょっとしみじみとした思いに。

メグレ,ニューヨークへ行く

ジョルジュ・シムノン

河出書房新社

2001

メグレ

元司法警察局警視

定年退職後のメグレが大富豪の父親の身を案じる息子の依頼でニューヨークへ。 フランス人の見たアメリカを面白く読みました。 

メグレたてつく

ジョルジュ・シムノン

河出書房新社

2001

メグレ

司法警察警視

メグレに誘惑されたとの訴えが 参事院請願委員という要職にある人物の姪から上層部へ。 メグレは疑いを晴らす為に独自捜査を。 いつにも増して 警視の大人の対応に感服。 メグレより2歳半年上で引退間近の刑事バルナクルが中々良い味を醸し出しています。 

マエストロ

ジョン・ガードナー

東京創元社

1995

ビッグ・ハービー・クルーガ−

元英国秘密情報部部員

ナチスやKGBとの関係を噂される世界的指揮者が襲撃を受け 命を救った主人公がその半生を聞き出すという構図。シカゴのギャングにハリウッドそして第二次大戦に東西冷戦さらにモサドと20世紀を総ざらいする大作。ただ真珠湾や広島に朝鮮動乱さらにベトナムや文化大革命などアジアにはあまり関心がない様子。平均的な西洋人の歴史認識かなどと言いつつマーラーを聞いていた私。

偶然の犯罪

ジョン・ハットン

早川書房

1994

コンラッド・ニールド

学校教師

とにかくついてない奴で読んでいて可哀相になるほど まるで嫌いな奴を頭に浮かべた作者が これでもかと仕返ししている様だ

寒い国から帰ってきたスパイ

ジョン・ル・カレ

早川書房

1978

リーマス

英国諜報部員

ベルリンを舞台にした東西冷戦時のスパイ小説の名作とのこと。 いまさら冷戦時代の諜報合戦などと思いつつ 組織と個人という観点で読み進むうち ついつい惹き込まれてしまいました。 この辺りが名作として名高い所以でしょうね。

騙し絵の檻

ジル・マゴ−ン 

東京創元社

2000

ビル・ホルト

仮釈放された殺人犯 

同族会社に勤める主人公は 幼馴染と不倫の末殺害したとして逮捕投獄され 16年を経て仮出獄 真犯人を探す。 犯人探しの過程が なかなか興味深かった。 構成がしっかりしていて すんなり推理に入り込め 一気に読めました。 復讐の鬼と化すD・マーティンの「過去、そして・・・」と好対照。

パーフェクト・マッチ

ジル・マゴーン

東京創元社

1997

ロイド警部

ヒル部長刑事

夫の死により莫大な遺産を相続した女性が殺され 彼女と一緒に居た男に疑いが。 逮捕された男は無実を主張。 ロイドとヒルの関係にどうも馴染めないものを感じますが 捜査過程は楽しめました。 ただ容疑者を含めて 最後に被害者と会った人達の注意力不足が納得できません。 

牧師館の死

ジル・マゴーン

東京創元社

1998

ロイド主席警部

ヒル部長刑事

夫の暴力に堪えきれず実家の牧師館へ帰っていた妻を夫が訪ねてきます。そしてクリスマス・イブに夫が殺害され 牧師一家に疑いが掛かりますが お互いを庇い合い 真実は闇の中。 ロイドとヒルの不倫関係が ちょっと鬱陶しいところもありますが珍しい設定で新鮮。

踊り子の死

ジル・マゴーン

東京創元社

2002

ロイド

主席警部

踊り子の死というタイトルですが 実際は寄宿学校が舞台。 このシリーズはロイドとジュディの不倫警官コンビの動向に興味を覚え 見かけるとついつい手が伸びてしまいます。 今回は犯人探しが結構面白かったです。 ジュディはいよいよ夫マイケルと別れ ロイドと暮らす決心をした模様。

タ行

皇帝のかぎ煙草入れ

ディクスン・カー

東京創元社

1961

イヴ・ニ-ル

可憐な婦人

夫の不貞が原因で離婚し シーズンオフの避暑地で再出発を図る女性が お向かいさんの男性に見初められ婚約。ところがよりを戻そうとする前夫が押しかけた最中に 婚約者の父親が殺されるのを寝室の窓から見てしまいます。そして成り行きから 彼女に嫌疑が。主人公がどんどん追い込まれて行く過程が見事です。

不可能犯罪捜査課

ディクスン・カー

東京創元社

1970

マーチ大佐

ロンドン警視庁D三課

最初の6話に登場するD三課は 奇怪な事件を専門に処理する課。 鏡のトリック 雪の上の足跡 盗んだお金の隠し場所など様々な不可能犯罪の基本形が提示されています。 純粋に謎解きを楽しむことができました。 古典ならではの味わいということでしょうか。

火刑法廷

ディクスン・カー

早川書房

1976

エドワード・スティーヴンズ

出版社の編集者

主人公の隣家の老人が死亡し毒殺の疑いがあり 死体を確認しようとしますが消えてしまいます さらに17世紀の毒殺魔に 主人公の妻が酷似していることから妻に疑いが 消えた死体の行方 壁を擦り抜けた女性はじめ個々の謎ときが面白い 

三つの棺

ディクスン・カー

早川書房

1979

フェル博士

名探偵

名講演家で著述家の教授が書斎で殺され 更に教授に関係があると思われる奇術師が袋小路で殺されます。 都合二件の密室事件ですが 話の進行が巧みで トリックの解明に過大な期待をしてしまいました。 密室講義で有名です。

猫と鼠の殺人

ディクスン・カー

東京創元社

1981

フェル博士

犯罪捜査の天才

冷徹な判決を下すことで名高い判事に 娘の婚約者を殺害したとの容疑が。 判事さんとその娘がどうしても好きになれません。 そして結末も。

テニスコートの謎

ディクスン・カー

東京創元社

1982

フェル博士

犯罪捜査の天才

遺産相続に伴うしがらみで婚約中の男女とその女性に恋する若い弁護士 そして謎めいた近所の未亡人の4人が 男女の後見人の邸宅でテニスに興じていた。そして雷雨で中断後  雨上がりのテニスコートに婚約中の美青年の死体が。足跡は彼のものだけという密室もの。ちょっとトリックは強引で拍子抜け。

帽子収集狂事件

ディクスン・カー

集英社

1999

フェル博士

名探偵

ポーの未発表原稿の行方 帽子ばかり狙う泥棒の正体 そしてメインの事件を取材していた記者の殺人事件 等など盛り沢山の内容 30年代のロンドンの情景が興味深い フェル博士は何もかもお見通しなのか もしかしたら大法螺吹きではと思わせるところが面白い

剣の八

ディクスン・カー

早川書房

2006

ギデオン・フェル博士

探偵

フェル博士は ポルターガイスト現象の起こる屋敷に招かれますが そのゲストハウスに住む男が射殺体で発見されます。 フェル博士の他に 警部に州警察本部長。 さらに作家や犯罪学者(主教)に刑事志願で米国で犯罪学を学んだ青年などなど探偵が一杯。 意外に推理が交錯しないのは作者の力量かもしれませんが 物足りなさも少し。

興奮

ディック・フランシス

早川書房

1976

ダニエル・ローク

種馬牧場の経営者

障害レースで 無印の馬が興奮状態に陥り 番狂わせが何度か。 そこで何らかの不正が行われたとの疑念が生じ オーストリアで安定した馬主生活を送る主人公に内偵の依頼が。 そして冒険心に駆られた主人公は英国へ。 「百番目の男」の読後感を一掃する為に選んだ一冊というところか...

利腕

ディック・フランシス

早川書房

1985

シッド・ハレー

調査員

ハードボイルドではないけれど 男としての尊厳回復の闘い ハンディキャップの扱いが興味深かった 

敵手

ディック・フランシス

早川書房

2000

シッド・ハレー

調査員

「利腕」以来読んでいなかったディック・フランシス。その間に 競馬シリーズはこの時点で34冊に。そしてたまたま手に取ったのがまたもやシッド・ハレーもの。かつての好敵手で人気キャスターとの対立で窮地に。英国の競馬事情に興味津々というほどではない事に加え ハンディキャップ・喪失ものは苦手。こんどこそ別の主人公の作品を読んでみましょう。

チャイルド44

トム・ロブ・スミス

新潮社

2008

レオ・デミドフ

国家保安省捜査官

スターリン体制化のソ連でせっせとスパイ摘発に勤しむ主人公。 権謀術策が渦巻く中 妻をスパイ容疑で捜査する命を受け失脚 辺境の人民警察に追いやられる羽目に。 そこで かつて自分が事故として穏便に処理した部下の子供の死亡と似通った事件に遭遇 連続殺人犯の疑いが。 なんと作者は英国人。 題材として 日本の特高警察や731部隊や南京大虐殺を扱われていたら大変だったかもなどと ちょっと余計な心配を。 

グラーグ57

トム・ロブ・スミス

新潮社

2009

レオ・デミドフ

モスクワ殺人課責任者

フルシチョフによるスターリン批判を契機に 元国家保安省の捜査員だった主人公は微妙な立場に。 そして養女を誘拐され かつて自らが逮捕した元司祭の救出を強要され 収容所に入ることに。 第2作で一層力が入り 主人公が逆境に陥る要素が過剰なまでに盛り込まれ 収容所内の拷問などは少し飛ばし読み。 もちろん一気呵成に読了ですが...

誰の死体?

ドロシー・L・セイヤーズ

東京創元社

1993

ピーター・ウィムジイ

貴族探偵

建築家の自宅溶室に見知らぬ男の全裸死体が 死体の正体と行方不明の金融界大物との関連は この事件の発端だけで惹き込まれてしまいました 洒脱

雲なす証言

ドロシー・L・セイヤーズ

東京創元社

1994

ピーター・ウィムジイ

貴族探偵

妹メアリの婚約者を殺害した容疑で 兄のデンヴァ−公爵が逮捕された所から いきなり物語が始まります。そして関係者の証言を集めますが 各自の思惑が絡み合い 真相は藪の中といった様相。パーカー警部はメアリのこと気に入った様子。

不自然な死

ドロシー・L・セイヤーズ 

東京創元社

1994

ピーター・ウィムジイ

貴族探偵

料理屋で出会った青年の話に興味を持ち お金持ちの老婦人の死因を探る事に。 日本の看護婦さん達が引き起こしてしまった事件を思い出しました。 シリーズの中では珍しく凶悪な犯人ですね。

毒を食らわば

ドロシー・L・セイヤーズ

東京創元社

1995

ピーター・ウィムジイ

貴族探偵

恋人を毒殺したとして裁判にかけられた女流小説家に一目惚れしたウィムジイ卿が その無罪を証明 当時の先進的とされる人々の様子が楽しい ハリエットとの出会いです

5匹の赤い鰊

ドロシー・L・セイヤーズ

東京創元社

1996

ピーター・ウィムジイ

貴族探偵

極大射程や狩りのときでちょっと疲れ気味。 つい予定調和の安定した作品作家を読む今日この頃。 トラブルメーカーの画家が崖から転落死。 どうも殺人らしく 動機のある仲間の画家が大勢居ます。 画家の生活などが面白かった。 肝心の列車や自転車によるアリバイは少し飛ばして読んだので いずれまた機会を改めて再読するつもり。 ごめんなさい。

死体をどうぞ

ドロシー・L・セイヤーズ

東京創元社

1997

ピーター・ウィムジィ

貴族探偵

ハリエット嬢が死体を発見 ハリエット嬢との掛け合いが楽しい 中々活発で現代的且つ生活力漲るお嬢さんです

忙しい蜜月旅行

ドロシー・L・セイヤーズ

東京創元社

1997

ピーター・ウィムジィ

貴族探偵

ハリエット嬢といよいよ結婚し 新婚生活を始めたその館でまたしても死体に遭遇。 巻頭にピーターの経歴が載っています。 いつもの事ですが どうも殺人事件を楽しんでいる節が散見されます。 ただ近年の小説のように 異常な犯行心理と残虐な犯行を延々と語られるよりは良いのかも。

殺人は広告する

ドロシー・L・セイヤーズ

東京創元社

1997

ピーター・ウィムジィ

貴族探偵

広告会社で殺人 クリケットが少し分かったような気がします 次から次へと繰り出される広告コピーが面白い

ナイン・テイラーズ

ドロシー・L・セイヤーズ

東京創元社

1998

ピーター・ウィムジイ

貴族探偵

鐘が主人公で教会が舞台 村の人々が実に魅力的です 鐘つきにしろ教会にしろ 知識のない私にも楽しく読めました 

学寮祭の夜

ドロシー・L・セイヤーズ

東京創元社

2001

ハリエット・ヴェイン

探偵作家

ピーター卿は後半になって活躍。 ハリエットが母校の学寮祭に参加しましたが 悪意に満ちた嫌がらせの手紙と悪質ないたずらが学内に横行している事を知ります。 殺人事件が起こらない点と様々な女性の立場からの恋愛観がなかなか興味深い。 その点 昨今の所謂4F物より奥は深いかも。 ハリエット嬢がとうとうピーター卿の求婚に応えるようですね。

ナ行

野獣死すべし

ニコラス・ブレイク

早川書房

1976

フィリクス・レイン

推理小説作家

轢き殺された子の仇

ハ行

ロセンデール家の嵐

バーナード・コーンウェル

早川書房

1994

ジョン・ロセンデール

当主

一族のお宝ゴッホのひまわりを勝手に処分したと思われ一族で孤立している伯爵さんの冒険 久し振りにヨットに乗りたくなる冒険小説

長い夜の果てに

バーバラ・ヴァイン

扶桑社

1998

ティム・コーニッシュ

N町の協会に勤める青年

ルース・レンデルです。 両刀使いの美青年が男性の恋人の方を疎ましく思い 一緒に旅行に行ったアラスカで 男性を孤島に置き去りにしてしまいます。 そして美青年のもとに 事件を知ると思われる者から手紙が。 作者の術中に嵌ってしまったようで どうにも自己中心的な主人公が好きになれませんでした。

ソロモン王の絨毯

バーバラ・ヴァイン

角川書店

2001

ジャーヴィス

ケンブリッジ学校の家主 地下鉄マニア

読み終わってみると ロンドンの地下鉄が主人公だったような気がしてきました。(私は随分昔に必要に迫られ何度か乗っただけですが もっと利用すれば良かったとちょっと悔やんでいます) さりげなく綴られるエピソードが後に重要な意味を持つことに。 最後の最後までかなり楽しめました。 ただ登場する女性陣が好きになれませんでした。

衣裳戸棚の女

ピーター・アントニイ

東京創元社

1996

ヴェルティ

古美術蒐集家

ホテルの一室でゆすりたかりを生業とする男が殺されます 窓とドアには鍵が掛かり 衣装戸棚にホテルのウエイトレスが 登場人物のイラストが軽妙洒脱な本文によく合っています

偽のデュー警部

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

1983

ウォルター・バラノーフ

歯科医

客船モーリタニア号での殺人事件 ひょんなことから名警部デューになりすます男が捜査を 筋も舞台もお洒落で結末も鮮やか

キーストン警官

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

1985

ワーウィック・イーストン

俳優

英国人俳優がハリウッドでエキストラを 好意を持つ女性に殺人の嫌疑が掛かり 事件を追う事に 無声映画のドタバタ喜劇制作現場が良く描けていると思います 

マダム・タッソーがお待ちかね

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

1986

クリップ

部長刑事

英国 ビクトリア時代のロンドン 殺人犯とされた美貌の女性をめぐるお話 蝋人形館に死刑執行人などが周辺を賑わす 本筋も鮮やかです

苦い林檎酒

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

1987

セオ・シンクレア

大学講師

死刑になった父の名誉回復を目指す娘が 当時の証人のもとに 林檎酒の樽に髑髏 でもそれ程グロテスクにならないのが筆者の筆力か

つなわたり

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

1990

ローズ・ベル

主婦

かつて軍に勤務していた女性が町で再会 物語が始まります 二人の女性が心理描写や性格描写を通じ 見事に対比されております

殿下とパリの美女

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

1995

バーティ

英国皇太子

英国皇太子の探偵ごっこ  食事場面が面白い 池波さんの様です

最後の刑事

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

1996

ピーター・ダイヤモンド

警視

湖に浮かんだ死体 大学教授が女優だった妻のではと名乗り出て物語は始まります 現代物です 昔気質の刑事の暴走振りが面白い

帽子屋の休暇

ピーター・ラヴゼイ

早川書店

1998

クリップ

スコットランドヤードの部長刑事

今風に言えばストーカーの気がある光学器械販売店の店主が 休暇先のブライトンでお医者さん一家と出会います そして子守りの娘が殺され クリップ刑事が登場します 陰惨な殺人が近年の日本の事件を連想させますが 筋立てがしっかりしていて それほど抵抗無く読み進むことが出来ました

ミス・オイスター・ブラウンの犯罪

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

1998

オイスター・ブラウンなど

双子姉妹の妹ほか

短編集。 表題作は穢れなき生活を送る英国国教会の熱烈な信徒が主人公。 些細な犯罪をきっかけに思いもよらぬ展開に。 ほかでは「死のひと刺しはいずこに」や「ビックリ箱」「ポメラニアン毒殺事件」「絞殺魔の影」などのちょっと皮肉な展開のものがなかなか乙な味わいです。 短編もなかなか面白く 改めて筆力に感服。

単独捜査

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

1999

ピーター・ダイヤモンド

元警視

ハロッズの警備員をしていたダイヤモンドは 閉店後 自閉症の日本人少女が店内にいたことの管理責任をとり 辞職 少女の親探しをする中で 米国日本と飛び回ることに 英国人の日本観・米国観が興味深い(スモウレスラーもご愛嬌) ダイヤモンド夫婦のやりとりが良い

バースへの帰還

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

2000

ピーター・ダイヤモンド

元警視

4年前彼が逮捕した殺人犯が脱獄し 副本部長の娘を誘拐し ダイヤモンドに再捜査を要求。 ダイヤモンドはやはり職場復帰したい様子。それにしても奥さんは出来た人だと思います。

服用量に注意のこと 

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

2000

バーティなど

英国皇太子ほか

短編ものはついつい後回しにしていたのですが ひょんなことから短編ものに食指を。 バーティの「殿下と消防隊」やダイヤモンドの「ウェイズグース」も楽しめますが 「クロンク婦人始末記」「勇敢な狩人」「おしどり夫婦」「プディングの真価」辺りの余韻が気に入りました。

猟犬クラブ

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

2001

ピーター・ダイヤモンド

警視

個性の強い会員ばかりのミステリ愛好会を舞台としたお話。 世界最古の切手の窃盗事件や会員の1人が密室で殺害されたりと盛り沢山。 色々なタイプのミステリ・マニアが描かれていて楽しいですね。 もちろん私も居ます。

死神の戯れ

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

2002

オーティス・ジョイ

聖バーソロミュー教会の牧師

美貌の牧師が飄々と犯す悪事の数々。 いつのまにか不埒な牧師さんを応援していました。 ダイヤモンド警視シリーズも良いのですが どちらかと言えば ノン・シリーズの方が私は好きです。 

降霊会の怪事件

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

2002

クリップ

スコットランド・ヤードの部長刑事

サラ・ウォーターズの半身を読んで 私が違和感を覚えた降霊会というものが気になって。 結局霊の存在自体が 私の理解の範疇を超えているので 降霊のトリックの種明かしも 今ひとつ納得できませんでした。 それでもヴィクトリア朝の風俗には興味を持ちました。 どちらかといえばピーター・ダイヤモンド警視ものより クリップ部長刑事が好きかも。

暗い迷宮

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

2003

ピーター・ダイヤモンド

エイヴォン・アンド・サマセット警察の警視

記憶喪失の女性に自殺した老農夫と屋根から転落死した独逸女性。 各事件に関連はあるのか? 警視の奥さんステファニーや部下のジェリー(警部)にホームレスのエイダなど 登場する女性陣がなかなか魅力的です。

地下墓地

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

2004

ピーター・ダイヤモンド

警視

バースの有名な遺跡「ローマ浴場」から それ程古くはない人骨が発見されます。さらに発見現場は「フランケンシュタイン」が執筆された場所でもあることが分り 大騒ぎに。警視が若い頃 ブラック・サバス,アイアン・メイドン,モーター・ヘッドなどヘビメタ・ファンだったという記述に愕然と。

絞首台までご一緒に

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

2004

クリップ

スコットランド・ヤードの部長刑事

寄宿制女子師範学校の女学生が冒険心から深夜のテムズ川で水浴び。そして事件の目撃者となり 警察のお手伝い。「ボートの三人男」という旅行記に沿って話が展開していきます。NHKで見た「児玉清さんが名作に沿って旅をする番組」を思い出しました。

最期の声

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

2007

ピーター・ダイヤモンド

警視

ケイ・スカーぺッタの恋人マークやウェズリィーの死は軽く受け止めましたが ダイヤモンド警視の奥さんステファニーの死にはかなりの衝撃を受けました。(力石の死ほどではありませんが)  もっとも この時点で重要な脇役がお亡くなりということは このシリーズはまだまだ続くという証なのかも。

漂う殺人鬼

ピーター・ラヴゼイ

早川書房

2008

ピーター・ダイヤモンド

バース警察署の警視

浜辺で殺されていた女性は心理分析官。 彼女はちょうど 大胆にも高名な映画監督を殺害 その後2人の有名人の殺害予告をした連続殺人犯らしき者の分析を。 この事件との関連は如何に。 心理分析官はバース在住ということで 共同捜査となりましたが ダイヤモンドは半ば強引に有名人殺人事件と深く関わることに。 最愛の奥様ステファニーの死を何とか乗り越えようとしているようですが 西村京太郎先生のように あっという間に別の女性と結婚してしまわないかがちょっと心配です。

偽りの街

フィリップ・カー

新潮社

1992

ベルンハルト・グンター

ベルリンの私立探偵

ナチ台頭のベルリンオリンピック直前 鉄鋼王の娘夫婦が殺害され高価な首飾りも消えた ヒムラ―とゲーリングの確執も絡み 翻弄される主人公 時代設定に頼らぬ筆力を感じます

ベルリン・レクイエム

フィリップ・カー

新潮社

1995

ベルンハルト・グンター

ベルリンの私立探偵

第二次大戦後のベルリン 殺人で逮捕された男の無実を証明して欲しいとの依頼 米ソのスパイ合戦にナチの生き残りが絡む 時代設定に依存する部分が増えた気がしますが 確かな筆力は変わらず

殺人探求

フィリップ・カー

新潮社

1997

ジェイク

女性警部

2013年頃英国で犯罪者資質のある者を管理するシステムが確立されるが その対象者が次々に殺害される 対象者のコードネームに哲学者の名を用いたのがミソです

殺意

フランシス・アイルズ

東京創元社

1971

ビクリー博士

ワイヴァ−ンズ・クロスの開業医

名家というだけで結婚した年上の夫人を主人公は薬殺。 裁判中の主人公の心理描写がなかなか興味深いですね。 アントニイ・バークリーの倒叙推理小説の名作とのこと。 主人公は女好きで自分のことしか考えない嫌な奴なので感情移入することはありませんでした。

マーチ博士と四人の息子

ブリジット・オベール

早川書房

1997

ジニー・モーガン

マーチ家のメイド

前科があり逃亡中のジニーは マーチ家のお屋敷に 偽名を使い住み込みで働いています。 ある日ふとしたことから 殺人を記録する日記を発見し 四人の息子の一人と思しき連続殺人犯との奇妙なやりとりが 両者の日記を通じて繰り広げられます。 仏国のミステリー。 

森の死神

ブリジット・オベール

早川書房

1997

エリーズ・アンドリオリ

元映画館経営者

主人公は全身麻痺の36才の女性。町で出会った少女から次々に少年を殺す森の死神の話を聞かされます。そしてこの話が事実と判り 彼女は巻き込まれてしまいます。「マーチ博士の四人の息子」同様 語り部の設定に若干の抵抗があるとも思いますが やはり見事としか言うほかありません。

鉄の薔薇

ブリジット・オベール

早川書房

1997

ジョルジュ・リヨン

プロの銀行強盗

表の顔は経営コンサルタント そして裏では銀行強盗という主人公。 ところがある犯行現場で妻を見かけたことから二重生活に思わぬ破綻を生じます。 どうやら表の生活自体が虚構なのではとの疑問 更に自分自身が何者なのかという根源的な問題が生じるのでした。 なかなか奥深い作品ですね。

ジャクソンヴィルの闇

ブリジット・オベール 

早川書房

1998

ジェレミー・ホーキンズ

12歳の少年 

オベール女史が気に入り 普段は絶対に読まないホラー・ゾンビ物に挑戦してみました。 私はゴキブリが大嫌いです。 でもオベール女史の力量によるところが大きいと思いますが なんとか最後まで読み通すことができました。 そして今まで以上にゴキブリが嫌い(本当は怖い)になりました。

カリブの鎮魂歌

ブリジット・オベール 

早川書房

1999

ダゴベール・ルロワ

私立探偵 

自分の父親を探して欲しいという勝気な女性からの依頼。 先ず母親を調査しますが 母親を含め自殺した女性が何人も。 そして主人公を付け狙う男たち。 主人公の過去とのつながりなど実に無駄のない筋立て。 日本の2時間TVドラマを彷彿とさせます。

死の仕立屋

ブリジット・オベール

早川書房

2004

マルセル・ブラン

巡査

主人公は冴えない巡査ですが 人並みに出世を願っています。 そして担当区域で 複数の死体を縫合したコラージュ作品が度々発見されます。 この巡査に犯人 そして刑事に被害者達など 登場人物すべてが気に入りませんでした。 その為 陰惨な犯行で大勢の人が死ぬのに さらりと読了。 またもや作者の術中に嵌ってしまった模様。

殺人交叉点

フレッド・カサック

東京創元社

2000

ボブ

美男の大学生

母親に溺愛され育ったボブが 友人の女性に迫ったところ抵抗され 弾みで殺してしまったうえ 反撃に遭い 死んでしまうという一見単純に見える事件。ところが どうも真犯人は別に居る様です。時効直前 急展開の結末 好きです。併載の連鎖反応の結末も好きです。

殺人者の顔

ヘニング・マンケル

東京創元社

2001

クルト・ヴァランダー

刑事

マルティン・ベックものをうっかり読み終えてしまい ついつい手にとることに。 ベックに比べるとちょっとだらしない感じがしますがそこがまた魅力に。 外国人排斥運動に老人福祉問題と 良くも悪くも 常に時代の先端を行くスウェーデンに興味津々というところ。

リガの犬たち

へニング・マンケル

東京創元社

2003

クルト・ヴァランダー

警部

バルト海を隔てたラトヴィアからゴムボートに乗った二人の射殺体が漂着。(1991年2月13日) そしてラトヴィアからへビースモーカーの中佐が捜査に派遣されるが 帰国後殺害。 今度はラトヴィア側からの要請でヴァランダーが独立運動真っ只中の首都リガへ向かうことに。(1991年8月21日独立)波乱万丈の展開もさることながら 成熟期を迎えた先進国スウェーデンから見た旧体制の社会主義国という視点が実に新鮮でした。 それにしてもゴムボートを盗まれたり やっぱりちょっとだらしがない。

目くらましの道

ヘニング・マンケル

東京創元社

2007

クルト・ヴァランダー

イースタ警察署警部

元法務大臣や有力な画商などを襲撃し 頭皮を剥がすという連続殺人犯が。 この作品を読了後 元厚生事務次官連続襲撃事件の報に接した次第。 こちらは1995年の出来事で どちらも敵討ちが動機のようですが 2008年の日本では「愛犬チロの仇討ち」とのこと。 どちらが病んでいるのか複雑な気持ちに。 フーグルンド刑事が好いです。

モルグ街の殺人事件

ポー

新潮社

1951

オーギュスト・デュパン

素人探偵

短編五編収録”モルグ街の殺人事件”は人間離れした残虐な猟奇殺人の描写が 今読んでも古さを感じさせない 他にデュパンものでは”盗まれた手紙”の相手の心理を探り 盗まれた手紙の隠し場所を突き止める過程が見事

悪魔のような女

ボアロー、ナルスジャック

早川書房

1996

フェルナン・ラヴィネル

セールスマン

主人公は愛人の女医と謀って 妻を殺害し保険金をせしめようと計画・実行。 ところが川に投げ込んだ死体が発見されず あろうことか生存の痕跡が次々と。 1952年の作品なので怪奇色が若干強くなっているのが 逆に時代性を感じられ好印象。 最後の一行が効いていますね。 再映画化されたり TVドラマ化されたことを私は知りませんでした... 

ウィッチフォード連続殺人

ポーラ・ゴズリング

早川書房

1989

リューク・アボット

主任警部

英国田園地帯の町で連続殺人事件 ヒロインのジェニファーとアボットは昔馴染みです 恋もあり謎解きも古典的丁寧さで サーヴィス精神旺盛

逃げるアヒル

ポーラ・ゴズリング

早川書房

1990

クレア・ランデル

広告会社勤務

広告会社に勤める女性が目撃者と誤解?され 殺し屋に狙われます 護衛の警官と殺し屋との対決が コブラよりずっと面白い

ゼロの罠

ポーラ・ゴズリング

早川書房

1991

ローラ・エインズリー

政府要人の娘

いつのまにか 北極圏の一軒家に幽閉されたハイジャックの人質達 最後に北極圏に暮す人々が颯爽と登場

モンキー・パズル

ポーラ・ゴズリング

早川書房

1995

ジャック・ストライカー

警部補

大学での鼻つまみ教授が殺害されます 動機のあるものが続々 恋人となるケイトとの出会いの場面と再会が興味深い

殺意のバック・ラッシュ

ポーラ・ゴズリング

早川書房

1996

ジャック・ストライカー

警部補

一見関係のなさそうな警官達が次々殺されて行きます 共通項は何か ともあれストライカーにとって ケイトは心の支えです

幽霊が多すぎる

ポール・ギャリコ

東京創元社

1999

アレグザンダー・ヒーロー

心霊探偵

貴族のお屋敷で次々と幽霊騒動が起こります。 そして主人公の登場となりますが どうも複数の幽霊?の仕業の模様。 矢鱈に人が死ぬ事がなかったので 私は好印象を持ちました。

マ行

捕虜収容所の死

マイケル・ギルバート

東京創元社

2003

ヘンリー・ゴイルズ大尉

C収容棟の捕虜

第二次大戦末期 伊軍の捕虜となった英兵捕虜収容所でのお話。 脱走計画の為に掘っていたトンネルで死体が。 将校は皆パブリックスクール出身で仲間意識が強いようで 階級格差が興味深かったです。 適切かつ効果的な伏線のおかげで安心して読むことが出来ました。

パンプルムース氏の秘密任務

マイケル・ボンド

東京創元社

2001

アリスティード・パンプルムース

グルメ・ガイドブックの覆面調査員 元パリ警視庁刑事

編集長の叔母上が経営する無星の悲惨な料理旅館の建て直しを 半ば強制的に請け負わされる羽目に。 4ダースの蛎を買い うち38個をミュスカデを飲みつつ平らげる場面は ちょっと怖かったです。 私も蛎は好きで あればあるだけ食べてしまいます。 今のところ中ったことはないのですが 気をつけようと思いました。

パンプルムース氏のおすすめ料理

マイケル・ボンド

東京創元社

2001

アリスティード・パンプルムース

グルメ・ガイドブックの覆面調査員 元パリ警視庁刑事

調査対象のホテル・レストランですが オーナーシェフの奥様が大層色っぽい方で なにやら波乱含みの様相。 ブレス産雌鶏の膀胱包みやパテ・ド・カナールも美味しそうですが ティアン(緑野菜のグラタン)や焼きたてパゲットに薄切りハムに心惹かれるものがありました。

パンプルムース家の犬

マイケル・ボンド

東京創元社

2002

アリスティード・パンプルムース

グルメ・ガイドブックの覆面調査員 元パリ警視庁刑事

三ツ星料理旅館で優雅に食事中のパンプルムース氏。 ところがお目当てのデザートが今日は食べられないとのこと。 どうやらデザート・シェフが失踪した模様。 折しもアラブの石油王も彼のデザートを楽しみにしているとのこと。 このままでは仏国への石油の安定供給にも暗雲が。 愛犬ポムフリットは「まさお」くん並の人気者なのでしょうか? お料理はおいしそうですね。

パンプルムース氏のダイエット

マイケル・ボンド

東京創元社

2002

アリスティード・パンプルムース

グルメ・ガイドブックの覆面調査員 元パリ警視庁刑事

パンプルムース氏は 身長172p 体重98kg。 健康意識の高まりの中で 滞在型ヘルスクラブの調査を 本人のダイエットを兼ねて担当することに。 当然愛犬ポムフリットも 同行する羽目に。 今度御殿場を通る時は ニの岡フーヅで久し振りにハム・ソーセージ類を買ってこようと思いました。

パンプルムース氏と飛行船

マイケル・ボンド

東京創元社

2003

アリスティード・パンプルムース

グルメ・ガイドブックの覆面調査員 元パリ警視庁刑事

英仏間に就航する飛行船機内食の記念特別メニューを担当することに。空中ブランコ乗りや体の柔らかいゴム女などサーカス団員や鰐くん。そして妙に偉丈夫然とした尼僧と老女やテロリスト登場と予想を上回るドタバタ劇でした。珍しくジャム・オムレツに桃のサバイヨンといったデザートに反応してしまいました。

パンプルムース氏対ハッカー

マイケル・ボンド

東京創元社

2004

アリスティード・パンプルムース

グルメ・ガイドブックの覆面調査員 元パリ警視庁刑事

世の中の流れに沿い ル・ギード社も情報処理システム構築に着手。そしていよいよシステム稼動に伴い 新年度の原稿をコンピュータから取り出してみたところ ハッカーによるデータの改竄でとんでもないことに。パンプルムース氏が相談に行くコンピューターの専門家(女性)の作るポトフが美味しそうです。天敵マダム・グラントの行方が気になります。

パンプルムース氏の晩餐会

マイケル・ボンド

東京創元社

2005

アリスティード・パンプルムース

グルメ・ガイドブックの覆面調査員 元パリ警視庁刑事

米国人推理小説作家六名が来仏 ヴィシーにて仮装晩餐会を。 パンプルムースは世話人の女性とともに同行し ダルタニャンに扮する羽目に。 ところが到着以前に作家の一人が謎の言葉を残して死亡 嫌な予感が... アントニイ・バークリーの「毒入りチョコレート事件」やディクスン・カーの「剣の八」のような推理合戦かと思ったのですが あくまでグルメもの。 女帝風ローストに詰められていたオリーブが実に美味しそうです。

氷の家

ミネット・ウォルターズ

東京創元社

1999

フィービ・メイベリー

失踪した実業家の妻

女性3人が隠遁生活を送る邸宅の氷室から死体が発見されます 3人の女性それぞれが何か秘密を抱えている様子 10年前に館の主人が失踪した事件(未解決)を担当した警部が 本件を担当しますが こちらも何か因縁がありそうで ついつい引き込まれてしまいました

女彫刻家

ミネット・ウォルターズ

東京創元社

2000

ロザリンド・リー

フリー・ライター

実の母と妹を惨殺したとして無期懲役の刑を受けた通称彫刻家と呼ばれる女性を取材する主人公。迫力ある彼女の容姿や雰囲気に圧倒されるが 理性の閃きを感じ 操られているのではという疑念を持ちつつ真相の究明に乗り出す。彫刻家の存在感を見事に描写し複雑な人間関係を紡ぎ出しております。エピローグでの彫刻家の表情が怖い。

囁く谺

ミネット・ウォルターズ

東京創元社

2002

マイケル・ディーコン

《ストリート》の記者

ロンドン・テムズ川沿い高級住宅街の民家ガレージで ホームレスが餓死しているのが発見されます。 このホームレスの正体 そして民家の女主人がこの男性に関心を寄せる訳は。 かなり入り組んでいて読み応えがありました。

鉄の枷

ミネット・ウォルターズ

東京創元社

2002

セアラ・ブレイクニー

医師

資産家老婦人が浴槽で死亡。 頭に錆びた鉄の轡を被り そこには刺草と野菊が挿してありました。 この婦人の人生の軌跡を追うだけでもかなり濃厚な味わい。 それに輻輳した数々の謎や家族・知人の精緻な性格描写が加わり 読み手を圧倒。

蛇の形

ミネット・ウォルターズ

東京創元社

2004

ミセス・ラニラ

主婦 死亡した隣人の第一発見者

20年前の隣人の死に納得のいかないものをずっと感じていた主人公が 真相を突き止めるために帰国。 当時は警察に家族や近隣住民との間に軋轢を生じたため 海外に移住してしまいました。 本件の真相解明とともに 彼女が本件にそこまで拘るのかも 謎として堪能できました。 登場人物を一人も好きにはなれませんでしたが...

昏い部屋

ミネット・ウォルターズ

東京創元社

2005

ジェイン・キングズリー

写真家

自動車事故で記憶を失った主人公は 不動産業界の大立者の娘。 当初は婚約破棄による傷心の自殺未遂と思われたが 相手の男性と親友の死体が発見されたことで 主人公と父に疑いが。 過去の作品の結末を思い浮かべつつ 最後まで一気に読んでしまいました。 結局すっきりしませんでしたが またしても作者の術中に嵌ってしまったかも...

病める狐

ミネット・ウォルターズ

東京創元社

2007

ナンシー・スミス

陸軍工兵隊大尉

定住者は4軒で10人しか居ない村の雑木林を占拠する移動生活者(トラヴェラー)。 そして一軒の邸宅では数ヶ月前老婦人が不審死を。 そしてその死に関連して邸宅の主に対する誹謗中傷が。 一応主人公を その娘の大尉にしましたが 移動生活者のリーダーか 邸宅の主か その顧問弁護士にすべきなのか迷いました。 少し前に読んだ「コールド・ロード」の登場人物とちょっぴり混同してしまったのかも。

夜鳥

モーリス・ルヴェル

東京創元社

2003

(短編集)

 

「ある精神異常者(7頁)」から「ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海(16頁)」まで 全31篇で289頁で 1篇当たり9頁。 定価が700円なので1篇当たり25円ということに。 Buzzcocksをうっかり思い浮かべてしまいました。 印象に残っているのは「誰?」「碧眼」「麦畑」「ふみたば」「情状酌量」「二人の母親」「蕩児ミロン」「無駄骨」などなど。 かなり気に入ったかも。

813

モーリス・ルブラン

新潮社

1959

アルセーヌ・ルパン

紳士強盗

読んでいた筈なのですが... 謎の数字813も 謎の人物L.M.にも思い当たる節はありませんでした。 記憶違いでしょうか。 結局続編を読むことになりそうです。

続813

モーリス・ルブラン

新潮社

1959

アルセーヌ・ルパン

紳士強盗

「813」の続きです。ちょっと間が開いてしまったので 「813」も読み返す羽目に。ルパンの生い立ちなどは覚えていたのですが 筋書きは殆ど記憶になく 犯人を思い出したのもかなり読み進んでから...

奇巌城

モーリス・ルブラン

東京創元社

1965

イジドール・ボートルレ

高校生で素人名探偵

子供の頃読んだ記憶があるので 懐かしいと思って手に取りました。 ところが前半は全く記憶になく 結末も違っていました... リュパン・シリーズは読み直す必要がありそうですね。

カリオストロ伯爵夫人

モーリス・ルブラン

早川書房

2005

ラウール・ダンドレジー

のちのアルセーヌ・ルパン

花崗岩の境界石に隠された教会の財宝をめぐり 謎の伯爵夫人と怪人が激しい争奪戦を。 そしてそこに若き日のアルセーヌ・ルパンも参戦。 現代的に言えば 自立する女性である夫人と依頼心の強い娘クラリスの対比が絶妙です。

ラ行

伯母殺人事件

リチャード・ハル

東京創元社

1960

エドワード

ぼく。主人公

ウェールズの片田舎で自堕落な生活を送る主人公は 何かと口うるさい伯母を殺して遺産を自由に使いたいと考えました。 自分勝手な彼の考えと世間とのズレが随所に上手に対比されていて面白かったです。 倒叙推理小説の三大名作とのこと。 

白銀の誓い

リンゼイ・デイヴィス

光文社

1998

マルクス・ディディウス・ファルコ

密偵

気がつけば 10冊も読み進んでから 第一作を読むことに。 本作品の大筋は分かってしまっていたので ついつい後回しになってしまいました。 そしてファルコとヘレナの出会いや恋の進行過程は少し飛ばし読み... そう言えばGrateful DeadのDebut作も 随分とあとになって購入したことを思い出しました。

青銅の翳り

リンゼイ・デイヴィス

光文社

1999

マルクス・ディディウス・ファルコ

密偵

新皇帝「なんとかアヌス」の命により謀反人の財産処分や不穏分子たちの懐柔・掌握といった任務に明け暮れるうち ポンペイへ向かうことに。 ベスビオ山噴火の8年前とのこと。 何十年か前に訪れたポンペイの遺跡を思い出しました。 もっともその時私が反応したのは 秘密めかして見せられた春画でしたが... そういえば今回テロの勃発したインドのムンバイは昔ボンベイでした。

錆色の女神

リンゼイ・デイヴィス

光文社

1999

マルクス・ディディウス・ファルコ

密偵

財をなした解放奴隷の一族の当主が婚約。 ところがお相手は 3回資産家と結婚歴がありますが あっという間にご主人がお亡くなり。 結果的に その財産を引き継いでいったという女性。 当然一族の女性陣(「叶姉妹」か「海老名美どりと泰葉」を思わせる強力二人組)は財産目当てではと疑い ファルコに調査を依頼することに。 ヘレナやファルコのお母さんはもちろん お姉さんに洗濯屋さんのレニアと 女性の活躍が目立ちます。

鋼鉄の軍神

リンゼイ・デイヴィス

光文社

2000

マルクス・ディディウス・ファルコ

密偵

今回の任務は表向き「ゲルマニア(独)に展開する軍団に皇帝の下賜物を届ける」というもの。 実際はその地域で力を持つ女祭司や族長との和平工作や行方不明の軍団長の消息確認などうんざりするほどの複雑な任務。 ファルコは ヘレナに好意を持つ皇子の横恋慕ではと邪推してしまうほど。 ヘレナの弟さんが好青年なのはもちろん 新兵くんたちや理髪師に姪御さんが中々良い味を。

砂漠の守護神

リンゼイ・デイヴィス

光文社

2003

マルクス・ディディウス・ファルコ

密偵

極東からアラビアへの大交易ルートの交差点にあたる国の動向を探る任務。 なぜかギリシャ新喜劇の劇団の座付き作家となって シリアの砂漠地帯へ。 例によってヘレナも同行。 ペトラ、ボストラ、フィラデルフィア、ゲラサ、ペッラ、ディオンなどなど 耳慣れない都市の名前が次々に登場するのに閉口 読了まで意外に時間が... また登場する水圧オルガン(hydraulos)に激しく反応。

新たな旅立ち

リンゼイ・デイヴィス

光文社

2003

マルクス・ディディウス・ファルコ

密偵

ローマ第13地区警備隊長で親友のペテロが暗黒街のボスを追放。 しかし その後も強奪事件や誘拐事件など犯罪組織の活動は一向に収まらぬ様子。 さらにファルコは 警備隊内の腐敗分子の内偵を命じられ ペテロとの関係がギクシャクと。 中村梅之助さんの伝七捕物帳のようなテンポで一気に読了。 洗濯屋さんのレニアと大家さんのスマラクトゥスの結婚式がすごいことに。 最終的には「よよよい よよよい よよよい よよよい」「めでてぇな」となったのかどうか...

オリーブの真実

リンゼイ・デイヴィス

光文社

2004

マルクス・ディディウス・ファルコ

密偵

ピーチ・ジョンの野口美佳社長でも主催しそうなパーティに参加していた密偵が何者かに殺され ファルコの天敵である密偵頭までも重傷を負うことに。 どうやらオリーブ油をめぐるカルテルの存在に関連が。 防衛施設庁のような官製談合の疑いも。 森祐喜氏や小泉進次郎氏のような二代目も登場。 「談合のドン」こと西松建設の故平島栄相談役(元大林組常務)や「水道メーター談合事件」でお馴染みの御法川法男ニッコク社長のような人は登場するのでしょうか? いよいよファルコとヘレナの子供が。

水路の連続殺人

リンゼイ・デイヴィス

光文社

2004

マルクス・ディディウス・ファルコ

密偵

不倫・別居・停職と問題を抱える親友のルベラと仕立屋通りの噴水で葡萄酒を飲んでいたところ 詰まった噴水を点検中の水道職人が人間の手を。 どうやら三橋歌織や武藤勇貴のように家族間の単発のバラバラ殺人犯ではなく 朝倉幸治郎のような恨みによる惨殺というのでもなく 宮崎勤や酒鬼薔薇聖斗を想起させる連続殺人犯の影が。 島根女子大生死体遺棄事件や井の頭公園バラバラ殺人のように捜査は難航。

獅子の目覚め

リンゼイ・デイヴィス

光文社

2005

マルクス・ディディウス・ファルコ

密偵

ウェスパシアヌス皇帝は ネロ統治下の大騒乱からローマ世界再建を目指し 財源確保・税収増を画策。 そしてファルコは財務官(税務調査)を担当することに。 先ずは当時の娯楽として絶大な人気を誇る剣闘士の興行主の調査を開始。 貴ノ花(貴乃花のお父さん)の年寄株譲渡金申告漏れや「正道会館」の石井館長の脱税のような感じでしょうか。 そうこうするうちに ライオンと剣闘士が相次いで不審な死を。 とうとう天敵アナクリテスが相棒に...

海神の黄金

リンゼイ・デイヴィス

光文社

2001

マルクス・ディディウス・ファルコ

密偵

ユダヤで戦死したファルコの兄は国家の英雄で一族の誇り。 その兄に美術品取引絡みで貸しがあると訪ねてきた兵士が殺され ファルコに容疑が。 そして必然的に家族を捨て没交渉となっていた父(兄とは行き来があった模様)と再会するはめに。 美術収集家に絵描きと彫刻家 そしてモデル嬢と 何やら現代の美術界を彷彿とさせるような魅力的な俗物揃いで楽しく読了。

一人きりの法廷

リンゼイ・デイヴィス

光文社

2007

マルクス・ディディウス・ファルコ

密偵

帝政ローマが舞台の法廷もの。 登場人物の名前が難しいので 通読に若干苦戦しました。 「カミリアヌス・アエリアヌス」とか「カニディアヌス」とか「ウェスパシアヌス」とか「ドミティアヌス」とか「ムキアヌス」とか「アッティアヌス」などなど 執拗な「アヌス」攻めに悶絶。 もう一冊読んでみようと思います。

地中海の海賊

リンゼイ・デイヴィス

光文社

2008

マルクス・ディディウス・ファルコ

密偵

失踪したローマ「日報」(御用新聞?官報?)の記者を探しに 家族同道で小旅行気分の探索に。 ところが ファルコの四半世紀!消息不明だった伯父さんやうぬぼれやで税官吏と結婚したお姉さん一家などが次々登場。 そのほか事件関係者も含め 中々憎めない人ばかりなので 楽しく読むことが出来ました。 続けて読もうと思います。

ひとたび人を殺さば

ルース・レンデル

角川書店

1980

レジ・ウェクスフォード

主任警部

警部の病気静養先で甥の担当する殺人事件捜査に介入 推理大外れでしょげる姿がちょっと可哀相 でも気を使う甥もかなり大変だと思います

ロウフィールド館の惨劇

ルース・レンデル

角川書店

1984

ユーニス・パーチマン

召使

有能な古典的召使である主人公が ご主人一家を惨殺 典型的アッパーミドルの常識や親切心が 主人公と狂信者の友人により一気に粉砕されていく過程が 実に怖い

引き攣る肉

ルース・レンデル

角川書店

1988

デイヴィット・フリートウッド

元刑事

人質事件の犯人と負傷した警官 そしてその恋人を巡るお話 不思議なめぐり合わせに翻弄される犯人に少し感情移入してしまいました 思いのほか重たい読了感でした

身代りの樹

ルース・レンデル

早川書店

1995

ベネット・アーチデール

作家

未婚の母である主人公は 唯一の生きがいである一粒種を病気で失います。 そして心を病む主人公の母が 一人の子供を連れてきます。 子供は虐待を受けていた形跡があったり その父親は年上女性に夢中で その年上女性の知り合い男性はお金持ち女性の財産を狙っていたりと登場人物が興味深い。最終結末には妙に納得してしまいました。

眠れる森の惨劇

ルース・レンデル

角川書店

2000

レジ・ウェクスフォード

主任警部

荘園と呼ぶべき大邸宅での一族3人の惨殺事件。 広大な森の中で生活する謎めいた人々の実像に 警部がいつもの堅実な捜査を通じ 迫って行きます。 警部の娘シ−ラの恋をめぐる親子のやりとりが効果的。

シミソラ

ルース・レンデル

角川書店

2001

レジ・ウェクスフォード

キングズマーカム警察主任警部

警部と次女シーラのやりとりが好きなのですが 今回は私も苦手な長女のシルヴィアが頻繁に登場。 ちょっと残念でした。 かなり恵まれた生活の黒人少女の失踪と対照的な最下層の黒人女性の殺人事件がほぼ同時に発生。 あくまで生粋の英国人の視点で捉えた人種問題ですが 立脚点がはっきりしているので それ程違和感はありませんでした。

殺人のすすめ

レジナルド・ヒル

早川書房

1980

ダルジール

警視

大学の拡張計画に伴い 取り除かれた彫像の台座から 5年前のクリスマスにオーストリアで事故で死んだ元学長の死体が。70年代初頭の大学の描写と それに対するダルジ―ルの見方が面白い。パスコー部長刑事がエリーと運命の再会。

闇の淵

レジナルド・ヒル

早川書房

1991

パスコー

警部

パスコーの妻エリーがヨークシャーの炭坑夫達の休暇研修コースの講師に。 そして炭坑町で起きた殺人事件の捜査をパスコーとダルジールが担当することに。 私はエリーより ルイス(モースの部下)の奥さんが暖かくて好きです。 (マザコン?)

骨と沈黙

レジナルト・ヒル

早川書房

1995

ダルジール

警視

警視がお隣の殺人?現場を目撃 後は思いこみでまっしぐら 瞬間、瞬間を生き抜く男との対決 パスコー君のフォローが光ります

四月の屍衣

レジナルド・ヒル

早川書店

1997

ダルジール

警視

パスコー警部の結婚式でひと暴れしたダルジールは そのまま休暇に入りますが 大雨の中で車を立ち往生させ そしてたまたま出会った夫を事故で失った美しい未亡人に惹かれ そのお屋敷に滞在することに。 するとお屋敷の住人達は財政的に苦しい中レストランを開業する準備中。何時もながら 警視は面白い人です

ダルジール警視と四つの謎

レジナルト・ヒル

早川書房

1997

ダルジール

警視

ダルジ―ルに接するパスコーの心理描写が面白い

幻の森

レジナルト・ヒル

早川書房

1998

ピーター・パスコー

主任警部

大昔にパスコーの曽祖父が軍法会議にかけられ銃殺になった件と 製薬会社の敷地内から古い人骨が発見された現代の事件が交錯。 もっともパスコーの曽祖父の件はちょっと飛ばし読み...

あなたに似た人

ロアルド・ダール

早川書房

1976

短編集です

賭け事に関連した”味””南からきた男””わがいとしき妻よ、わが鳩よ””海の中へ”等 人の浅ましさが浮き彫りにされていて楽しめました ”韋駄天のフォックスリイ””皮膚””告別””首”のちょっと風変わりな読了感もお気に入り

リオノーラの肖像

ロバート・ゴダート

文藝春秋

1993

リオノーラ・ギャロウェイ

ハロッズ家の末裔

父親と母親についてほとんど聴かされる事なく 自分の出生の謎を抱える貴族の末裔が過去を追い求める 意地悪な義祖母がお気に入りです 最終的に主人公は幸運でしょう

千尋の闇

ロバート・ゴダート

東京創元社

1996

マーチン・ラドフォード

元歴史教師

新進気鋭政治家の挫折の謎を 同じく挫折感漂う元教師が追います 最終的に主人公は結構強運だと思います

蒼穹のかなたへ

ロバート・ゴダート

文藝春秋

1997

ハリー・バーネット

管理人

人々に裏切られヴィラの管理人として 世捨て人のような生活を送っていた男が ある娘の失踪を通じ 過去とのつながりを思い起こす事に 様々なエピソードを最後にとにかく一つにまとめる力技