イ タ リ ア 古 典 音 楽 修 行
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日付メ   モ
'08.12.01
 29日の本番後、大慌てで荷造りをして30日午前に成田空港へ。13時間余りのちローマ着。厚い雷雲と激しい雷雨で着陸できず、上空で待機している間に予定していた急行列車は発車!? 80分の待ち時間で鈍行列車に乗り、130分後に着いた終点から車で60分ほど離れた町に居ます。
 これからブランチをして、リハーサル開始。乗り物の中で睡眠がとれない性格ゆえ疲れるかと思いきや、日頃から(短い睡眠時間で)鍛えているため、じっと座っていられただけで元気になっていました!
'08.12.02
 日本時間の朝7時。要するに時差のない生活ができるので楽なんです。今日は何度も「本番直後だから無理をしないで」と言われつつ、知りたい病に冒されて6時間うたいました。どの曲も驚きの連続で、どうやったら真実を知る喜びと感動を間違った音楽教育が蔓延っている国の皆様へお伝えできるのだろう…と悩んでしまいます。こんなに有意義で幸せな時間が私に与えられたこと自体、奇蹟としか言いようがありません。古典歌曲の世界はやはりデータ勝負です。オリジナルを出されたら、ひれ伏すしかありません。ともかく、凄い!の一言です。

'08.12.03
 2日目を終えて早くもギブアップです。
持ってきた楽譜の大半を合わせ了えたところで、「日本では知られていないだろうけれど、他にもこんな素晴らしい作品があるよ!」と10曲ほど提示され、初見で歌うよう言われたものの、瞬時に言葉をつけられず、ヴォカリーズで誤魔化す始末…。
 取り敢えず、明日はリハーサルをキャンセルさせて貰い、一人で新しい曲をさらうことにしました。1日練習すれば何とかついてゆけるはず(と信じたい)。イタリア音楽の権威を相手に身のほど知らずな真似をするから自己嫌悪に陥るんですねぇ…。
'08.12.04
 
 今回の滞在は何から何までイタリアのマンマにお世話になり、上げ膳据え膳(!?)状態の私。食器を洗うのもダメと言われ、心苦しい限りです。と言いつつ、毎食お肉を出して下さるので、できれば野菜の方が嬉しいなどと言ってしまったりして…(イタリア語が上達した証明でもありますが)。で、今日のお昼に出して下さったのがお豆と香草(マンマが庭で育てている)をトマトで煮たもの。暖炉で焼いたパンを一口大にちぎって器の底に敷き、写真のように上からソースをかけて新鮮なオリーヴオイルとバルサミコで頂くのですけれど、レストランで食べるのと一味違いクセになりそうな美味しさ! 帰国したら絶対に作ってみようと思います。
 午後は我儘を言って一人で練習させて頂いたお蔭で、昨日までのこと(特に即興的につけるカデンツァ)が整理できました。独習を終えた18時に迎えに来て下さった際、「何か歌ってみる?」と訊かれたので、新しい曲はやめて、昨日一昨日と合わせて頂いた中から自分で作ったカデンツァのある曲を歌ったら、とても良くなっていると言われ一安心。
 …で、マンマの家に戻ると、「歯が痛くなって歯医者へ行ったら、かなり酷いので明日の午後、抜いたり縫合したりすることになった」(日本語だと親知らず?)と二人が話しているのを聞き、失礼かな? とも思いましたが、渡航前にスポレートのホテルに泊まりたくて調べていたので、「私はスポレートへ行きます」と言ってしまいました。歯の治療をしてご飯を食べられないマンマに私の食事だけ作って貰うのは心苦しいため、すぐにインターネットで予約。モバイルパソコン、便利に使ってます。が、請求書の額が恐ろしい…(ちなみに8,900円でした)。


'08.12.05
 今日からホテルに移るため、マンマがたくさんのお土産をもたせてくれました。その上、お昼はターキーとチコリを焼いて、お野菜たっぷりのパスタを作ってくれました。直火で焼くとホントにお肉が美味しくなりますね。
 急遽予約したホテルは四つ星ですが(他は土曜が満室で三泊は不可でした)、かなり快適です。もちろんウンブリア特産のチーズやプロシュット、フンギ・ポルチーニも堪能してます。明日は食料品店を見つけてオイルを買わなくては!

'08.12.06
 毎日ここに来ていました(天上の世界)。本当は明日も来るようにと言われたのですけれど、今の力量ではこれ以上の演奏は出来ないので時間の無駄…(もちろん先方にとって)。明日はホテルのすぐ裏の遺跡を出発点に、スポレート観光をします。とはいえ町そのものが遺跡のようなものなので、ペルージャと同じく石段だらけの通りをただただ歩くだけ。今日は画像を撮れませんでしたが、近くのレストランでこれまでで一番美味しいラビオリに出合えたので、たぶん明日も行くと思います。来年もここに泊まろうかなぁ?
'08.12.07
 私が来た30日からずっとお天気が悪く、基本的に傘を持って歩いています。月曜からは雪だとか。今日もブランチの間に物凄い雷雨になりましたが、食事が終わる頃には晴れてきました。それで博物館まで歩こうとしたら再び雨。カフェでカプチーノを飲み、小降りになったところで傘をさして博物館まで行ったら、何と13:30までしかやってない!? でも町を歩いているだけで楽しいので、お店を冷やかしながら(結構値切っちゃいます。だってオープン価格というか、8ユーロと書いてある全く同じ商品が隣の店では5ユーロで売られていたりするので…)少しお土産を買いました。ヴェネツィアングラスもブランド品があったので購入。観光の方は取り立てて何を見たというわけではありませんが、ホテルの裏が1世紀頃のローマの劇場だし、この周辺が観光スポットだったようでラッキーでした。このホテルはエアコンにしろインターネットにしろ最新の設備なので、私にはピッタリだったと思います。
 ちなみに今日一番心を奪われたのは12,3世紀頃のカテドラル St. Maria Assunta でした。
 また今日もホテルから徒歩1分のCANASTAでブランチ。昨日と同じ18ユーロのコースです。お皿が小さく見えるけど、直径は24cm以上あると思います。昨日「また明日」と言って帰ったので、よく覚えてくれていて、今日はプロシュットの種類を変えてくれました。私もメインディッシュを昨日は仔牛、今日は豚のスペアリブにしました。昨日も量が多くてビックリでしたが、この豚肉も300g近くあったと思います。お肉自体が美味しいというより、直火で焼くから美味しいという感じかな。うちも暖炉が欲しい!! それにしてもサラダ付きのメインディッシュだけでもホテルなら18ユーロはするのに、これだけの料理にエスプレッソがついて18ユーロは安すぎます。明日も行って、今度はラザニアをスパゲッティにし、メインも変えてみたいと思います。ウンブリアは美味しい!! この実感は3年前と変わりません。そうそうお土産を買ったまではよかったのですが、スーツケースに入れようとベッドに並べたら、どう見ても足りません。再びヒョコヒョコ出かけて、チョコレート好きの家人に本当のトリュフチョコを買いました。試食したら、もろトリュフで、私には強烈でした。それにしてもフンギ・ポルチーニが100gで8ユーロとは恐れ入ります(もっと安い店もあった!)。日本では安くて20g=650円ほどなので、ホントに安い! 車の運転さえできたらウンブリアに住みたいです。

'08.12.09

 7日21時にローマを発って、8日17時に成田着。帰宅後、19時前にはバイクで買い物を済ませ、いつものペースに戻っています。ご飯を二度作って長い一日を終える前に、スポレートの町を散歩中に出会った猫ちゃんたちをUPしておきます。日本語がよく通じ(?!)、写真を撮るとわかるとポーズをとり、撮り終えるとどこかへ去ってゆきました。


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