アジアの唄声 /藍川由美      カメラータ30CM−562
曲名作曲共演者
宮古島の二つの歌謡
 1.子守唄
 2.祝唄
1988/1996年
石黒 晶 作曲
     伝承詩
木村茉莉 (ハープ)
三つの沖縄の歌
 1.ションカネ
 2.宇地泊節
 3.京太郎御知行
1981/1992年
石黒 晶 作曲
     伝承詩
木村茉莉 (ハープ)
花崎 薫 (チェロ)
中谷孝哉 (打楽器)
生蕃四歌曲集
 1.首祭の宴  2.戀慕の歌
 3.野邊にて  4.子守唄
1936年
江 文也 作曲
     伝承詩
イリーナ・メジューエワ(ピアノ)
中國民歌小品集
 1.康定情歌  2.半个月亮爬上来
 3.草原情歌  4.綉荷包
 5.茉莉花    6.小河淌水
 7.阿拉木汗
1996年
金 仁権 作曲
     伝承詩
木村茉莉 (ハープ)
失群の鳥1989年
金 仁権 作曲
陶 淵明   詩
木村茉莉 (ハープ)
花崎 薫 (チェロ)
中川昌巳 (アルトフルート)

録音:1998年6月25日(練馬文化センター)/1998年7月9日(牧丘町民文化ホール)


カメラータ 30CM−562
 1984年にはじめて中國を訪れて以来、私はその虜になっている。
 仕事でよく出かける大都会・上海もいいが、新彊ウイグル自治区のウルムチも大好きだ。このCDのジャケット裏に使った写真は、1988年9月27日にウルムチから天山山脈に向かう途中で撮ったもの(あまりの寒さに持っていたセーターを羽織って首をすくめている)。
 その旅から戻った直後、私は東京音大の伊福部教室で金仁権氏と出会った。
 金さんは私に《失群の鳥》と《中國民歌小品集》を作曲してくれたが、1997年6月22日に日本で急逝したため、このCDを聴いて貰うことはできなかった。
 そんな思いを抱えた私のために、上海電視台がドキュメンタリー番組を企画してくれた。1999年の2月から3月にかけて、摂氏20度の上海から、彼の生まれ故郷・零下15度の凍土ハルビンへ旅行することができたのである。
 一方、台湾生まれの江文也は、戦時中、北京師範大学教授として東京から北京に移り、戦後は北京中央音楽院の教授としてその生涯を終えた。
 激しい時代の波の中で、人は生き、そして死んでゆく。
 残された者は、その音楽によって癒される……。
(藍川由美)

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