〜「紅葉狩」より〜 E 平維茂と鬼女の戦いの場面


「鬼女紅葉伝説」 その4

 鹿狩りを装って戸隠の山中に分け入った維茂は、そこで紅葉狩装ういまや鬼女と化した紅葉たちに出会い酒宴となります。美女たちの優雅な舞と美酒の競演に維茂は夢見心地となり、その隙を突いて紅葉が維茂を殺めようとしますが果たせません。一方維茂の方は、夢の中に男山八幡の神が現れて紅葉が鬼女であることが諭され、あわせて「降魔の小剣」を賜り紅葉たちとの死力を尽くした戦いの末に討ち果たします。その後、維茂は紅葉たちの墓をつくり懇ろに弔ったということです。
 歌舞伎や能楽の題材にも用いられている著名な伝説ですが、戸隠・鬼無里地方には今も紅葉や家来たちの墓、紅葉たち山賊の隠れ家、紅葉が信仰したと伝えられる厄除地蔵などが伝わっています。
                                   (おわり)

(「ふるさとの伝説」1990/ぎょうせい刊ほか より)

- 撮影 さいたま市在住 村津優麒彦氏 −

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