2018/10/02 修正
Haiku R1/beta1 リリースノートの私訳です。訳のおかしいところは、原文を参照ください。
Haiku での日本語表示/入力については、こちらを参考ください。
2012年11月の Haiku の最後のリリースから約 5 年と 11 ヶ月経ちました — あまりにも長かった。そのリリース間の長いギャップの結果、このリリースは前のものより多くの変更があります。そのため、このドキュメントも以前のものより重いものとなっています。ノートはほぼ重要度と関連度の順にまとめられており、時系列ではありません。かつ、非常に多くの変更があるため、たくさんの小さな変更はここでは評価されていません。
Haiku は、ベータ品質のソフトウェアであることを心に留めておいてください。つまり、機能は完成しているが、既知や未知のバグがまだ含まれていることを意味します。安定性にはほぼ自信がありますが、データロスに対して保証はできません。
Haiku のダウンロードは、“Get Haiku!” を参照ください。プレスの問い合わせは、“プレス窓口” を参照ください。
このリリースには、既存の x86 32-bit イメージと同時に、公式 x86_64 イメージが追加されています。x86_64 イメージは、BeOS (GCC2) アプリケーションを実行できないことに注意してください。しかし、それらは32-bitのものと同じくらい (場合によってはそれ以上に) 安定しています。
最小構成 (32-bit)
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推奨構成 (64-bit)
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HaikuDepot, グラフィカルなパッケージマネージャー
このリリースでの最大の変更は、完全なパッケージ管理システムの追加です。Haiku のパッケージ管理システムは、寄付により資金提供された一連の開発契約 (contracts) によって 2013 年内に完成し、マージされましたが、様々な点でユニークです。インストール済ファイルのデーターベースを管理ツールとともに保持するのではなく、Haiku のパッケージシステムは特殊なタイプの圧縮ファイルシステムイメージであり、カーネルコンポーネントの packagefs
によって、インストール環境 (および、その後の起動ごと) に ‘マウント’ されます。
このことは、/system/
階層が、現在インストールされたパッケージがシステムレベルで単に融合した (ユーザーレベルでインストールされたパッケージを含んでいる ~/config/
階層についても同じことが言えます) ものであるため、読み取り専用になったことを意味します。それにより、システムファイル自体は壊れにくくなっています。
パッケージは単に “アクティベート” 化されているだけで、インストールされていないため、このことは、ブートローダーが、パッケージに作用することができることを意味します。ユーザーは、以前のパッケージの状態で起動できます (アップデートが良くなかった場合)。また、個々のファイルをブラックリストに入れることさえもできます (ブラックリストは設定ファイルによって恒久的なものにできます)。
もちろん、パッケージ管理のディスクトランザクションは、それらのディレクトリ間の移動と “activated packages” リスティングファイルへの出し入れに限られるので、インストールとアンインストールは実質的に瞬間で終わります。従って、動かなくなった Haiku システム上のインストール済パッケージのセットも、そのブートディスクをマウントして、/system/packages
ディレクトリと関連した設定ファイルを操作することで管理できます。
その結果、システムをソフトウェアの更新 (SoftwareUpdater) を実行して更新し、再起動できます。(すでにパッケージ管理が有効な nightlies を実行しているユーザーは、システムリポジトリを master
から r1beta1
に変更して、直接 beta リリースに変更できます)。近い将来、我々は、r1beta1
リポジトリを Haiku 自体のバグフィックス、および HaikuPorts での追加パッケージとセキュリティ更新とともに維持する予定です。
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HaikuDepot に加えて、パッケージ管理システムへのコマンドラインインターフェースである pkgman
もあります。パッケージが名前だけでインストールされるほかのほとんどのパッケージマネージャーと異なり (例. pkgman install rsync
、pkgman install sdl2_devel
)、Haiku パッケージはprovides によっても検索やインストールができます (例. pkgman install cmd:rsync
または pkgman install devel:libsdl2
)。つまり、それを供給するもっとも関連性のあるパッケージを決めて、インストールします。
付属のパッケージマネージャーは、大きく改良されたHaikuPorts です。それはビルドスクリプトの組織された配列から、ネイティブとHaiku に移植されたソフトウェアを幅広く含む順調で成熟した ports ツリーに移動しました。
惜しみない寄贈者のサポートのおかげで、Haiku, Inc は WebKit port と関連するシステム領域の強化 (それは結局ほぼすべてにわたりました) を行うフルタイムデベロッパーを 1 年以上雇うことができました。その結果、システムウェブブラウザーは、以前よりさらに安定したものとなりました。それは、さまざまな内部変更やユーザーに見える多数の注目すべき変更 (例えば、YouTube が正しく動く) を伴っています。
WebKit は非常に重いソフトウェアです。その速度向上への取り組みは、結果として Haiku 自体に露呈したたくさんのバグを修正することも意味していました。たとえば、壊れたスタック境界、ネットワークスタック内のさまざまなカーネルパニック、app_server
レンダリングコア内のまずいエッジケースハンドリング、拡張変形とグラデーションサポートの欠落、壊れているピクチャークリッピングサポート、POSIX 機能の欠落、メディアコードの問題、GCC のアップグレード … リストは続きます。
良かれ悪かれ、HaikuWebKit は Haiku 独自のネットワークレイヤーも使用しています。つまり、現在 Gopher をサポートすることを意味します。
特に、数年前の WiFi ドライバー追加後、以前のネットワークプレフレットは古さを感じさせました。今は、使いやすさと、長く使えることを目的に 0 からデザインされた完璧に新しいプレフレットに置き換えられています。
(スリム化された) インターフェース設定画面に加えて、プレフレットは、OpenSSH や ftpd のようなマシーン上のネットワークサービスも管理できるようになりました。プラグインベースの API を使用しているので、サードパーティのネットワークサービス (VPNs、ウェブサービス、…) を容易に統合できます。
最後のリリースから、多方面にわたるたくさんの変更がユーザーインターフェースのさまざまな部分に行われました。
メールと Tracker でいくつかのサンプルデーターを表示
メールと Tracker は共に UI コードの重要な内部クリーンアップを行いました。結果として、ほかのアプリケーションと共通の、Haiku スタイルのツールバー、フォントサイズに追随したレイアウトを表示します。これにより、今後の活動で正確な DPI スケーリング (または、さらに将来、right-to-left レイアウトも) 追加するでしょう。
加えて、ほとんどのアプリケーションが、システムのカラー設定とやり取りする方法が大きく変更されました。具体的なシステムカラーをリクエストして操作する代わりに、ほとんどのアプリケーションは、自身の UI コントロールにシステムカラーセットに基づく特定の色を直接選択するように指示します。このことは、外観 (Appearance) プレフレットでの色の変更が、システムのいたるところでライブに変更されることを意味します。
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