1999.09.17.
キリンジ・TOUR 1999
★名古屋・CLUB QUATTRO★

*今回イキオイ重視なので、あえて文中一部敬称略としています。ご了承くださいませ。 ・・・・・みやもり

名古屋クアトロに入場するとステージにはぼんやり透ける紗幕がかかっていた。キリンジのライブでのこんな演出らしい事は初めてで、期待に胸が踊る。それにしても、いつもながら緊張している自分に苦笑。なぜかキリンジのライブではお約束のようになってしまっているのだが。

予定時刻の7時を10分ほどまわった頃、場内暗転。同時に拍手が沸き起こる。それまでの軽いインスト系のBGMに替わって「V.I.P.」が流れ、ミラーボールがゆっくりと回り出す。
紗幕のむこうにメンバーが登場、それぞれスタンバイ。だんだんと速度を速めてまわる光のつぶて。

キイボードによるマリンバ音のイントロに歓声があがる。「Drive Me Crazy」だ!高樹ギター、パーカッション、ドラムと追って加わり、ホーンのフレーズと同時に紗幕が落ち、ステージにライト!場内一気に沸き立つ。そう来るか、なんて粋な演出なんだ!
客席中の笑顔につられてか、泰行さんがはにかんだような笑顔を見せる。なんだか少し信じられないような気分、去年までは目線さえ定まらなかった様子だったのに。テンポ良い曲調にマイルドなこの声が、今日もまっすぐにこちらに届く幸せ。
「ざくろを跳ねたら」と高樹さんのコーラスも快調な滑り出し、ハモリも美しい。気付けば自然に身体がリズムを取っている。展開部の間奏はピアノのはずむようなリズムが心地良い。
「引き返して欲しいかい、イヤだね」ココの高樹ヴォーカルは声をあげてしまいそうに胸に来る‥‥。「(兄:)豪雨に抱かれたら (弟:)声は届かない」兄のファルセットを弟がナチュラルに追い掛ける。要所要所でともさんのボンゴが効いている、ナイス!
CDではふんだんに入っているコーラスの足りないところは心の中で口ずさみながら楽しんだ。やっぱりライブではこれ以上入らないのかなあ‥‥?

高樹氏のギターはいつものギブソン335、対する泰行氏は今回初登場、おNEWのシェクターのエレアコ。ボディがエレキ並みに小さめで、のびのびプレイしているよう。この曲でもアコギ風のストロークを響かせていた。
ここで本日の出で立ちを。泰行さん:前がジップアップのベージュ(別名:泰行カラー!)のプルオーバーシャツ、白Tにジーンズ、スニーカー。
高樹さん:濃紺のパリっとしたシャツは、ときに紅、紫とライトに映える色合い。チノパンにやはりスニーカー。ギターストラップが黒地に小花の刺繍入りで、シャツと良く合っていた。
そして今回サポートの皆さんは少々フォーマル。基本は長袖シャツにブラックタイでシックに決めてらした。ドラムの一徳さんのみ半袖シャツ。長身のベース・立川さんは今回初めてウェービーヘアをきりりと結んでの登場。そしておしゃれな山口ともさんは明るい紺のスリムなスーツ!胸のポケットから覗いていたフォークのような飾りが気になったんですけど‥‥?

続く五月雨のようなピアノのフレーズは「ニュータウン」。もうやってしまうの?な気分におかまいなく、今までになく完璧なハモリを聴かせてくれる二人。危なげない高音部に早くも鳥肌たちそう。この曲の魅力のひとつは、二人のヴォーカルが呼び掛けるように拮抗するところにあると再確認。だけどギターに集中してか、ラスト近くの高樹パートが抜けてしまって残念。
通常ドラムが吹っ切るように終えるこの曲だが、なんとそのまま「恋の祭典」のイントロに!
思わず会場からため息まじりの歓声がもれる。淡々と歌う泰行氏だが「夏のミサイル〜」と伸ばす高音部にはもう‥‥。サビの二人のハーモニーと合わせて、フルートとフリュゲルホーンの絡みの美しさにもやられそう。大サビ「まさぐりあう指が〜」が高樹さんヴォーカルでなかったのは本当に残念!その後のギターのフレーズは完璧でしたけどね(笑)。エンディングの高樹コーラス「輪投げのようなゲーム」が聴こえにくかったのは惜しかった。
そのまま、ともさんのボンゴに導かれてエレピのフレーズ、「野良の虹」へ。サビの「左胸が〜」でのツインヴォーカルはこうでなくちゃ!何度聴いてもいいものだ。間奏では二人のギターが聴けて満足。終盤での高樹さんのスキャットコーラスも以前に比べて格段に良くなっている。歯切れの良いホーンに飾られたエンディングまで、この3曲のたたみかけるような流れは本当に素晴らしくて、会場中がうっとりとキリンジのペースに包まれた。

簡単な御挨拶からのMCタイム。
「‥‥一応、二回目のツアーなんですけど、ちょっと工夫した登場の仕方をしてみました。‥‥どうですかね?」と泰行さん。もちろんこちらは拍手と歓声!で応える。
「今日が初日なんですよね。‥‥ちょっと緊張してます」視線を交わし、高樹さんも相づち。
この雰囲気もキリンジならでは(笑)。ほんのカンタンなセールストークに続き、
「‥‥ということで、双子座グラフィティをやります。」

ライブに慣れてきたということなのか、今日もこの曲での泰行ヴォイスは伸びやかですがやか。
コーラスは高樹さんとドラムの一徳さん。ここは二声あってこそ!だと思う。華やかなホーンにささえられ、高樹氏のギターのフレーズも冴えていた。こちらはサビのハンドクラップで参加、楽しませてもらいました。この日は高樹さんがちらっとこちらを見ていたかな?
続いてゆったりしたテンポの「BBQパーティ」。イントロの高樹氏のギターに早くもうっとり。オルガンの音色との相性も良い。サビのコーラスが厚くて美しいのに驚いて、ステージ中を見回すと高樹氏のほかになんと、山口ともさんが参加!手に歌詞を持って、丁寧に歌ってらっしゃる姿も素敵。終盤の泰行氏のスキャットもゆったりとしてリラックスムード。歌うべきパートが終わり、マイクを離れても身体を揺らし、フレーズを口ずさんでいる姿になんだか感動。今この人は楽しんでいるんだ‥‥!

ひと呼吸おいて、ドラムがリズムを刻みだし、エレピが入って来て‥‥あれ?泰行氏のギターチェンジが間に合わない?高樹さんがバックに向かって両手を左右に大きく振って中止の合図、そして
「こういうこともあるんですよ(苦笑)」会場もなんだか微笑ましいムードに笑顔。
「大丈夫?」と高樹さんが気づかうとお馴染み・白のテレキャスに持ち替えた泰行さんはあくまでマイペース。ついでに水をひとくち、ゴクリと。なんかいいムードですぞ(笑)。
仕切り直して「五月病」。音川さんのサックスがイントロから絶好調。ともさんの鳴りもののリズムが効いてます。泰行さん、「わォ!うん!」も軽やかにキメていました。

左手前のともさんが、なにやら身体に装着したのは大きなブリキ缶と白いプラスチックバケツのドラム。鼓笛隊のようなお姿にワクワク、右手の高樹さんとアイコンタクト‥‥?
ふいに始まったともさんのリサイクルドラムによるパフォーマンス!歓声が次々に飛ぶ。徐々にクレイジーに乱れ打ち!
「いよぉっ!」ともさんのかけ声を合図に「ジャン!」と高樹ギター&バスドラ四つ打ち乱入!ギターのアドリブとともさんの応酬だ!早弾きで応えるタカキさん、うひょお〜〜〜!カ、カッコイイ〜!!!これぞ、キリンジのロック!
なんと「茜色したあの空は」だ!こんなキリンジ、観たことないよ〜!!!
場内沸騰、歓声に次ぐ歓声!垂直ジャンプ!ジャンプ!ええっ、キリンジだよコレ!自分でも信じられない状態、だけどメチャクチャ楽しい〜!歌っているヒト多数、コレもビックリ。相変わらずともさんクレイジーで素敵!笛も吹くし、かけ声もあげるし!ステージ上・ともさん近くのベース立川さん、ホーンの音川さん&羽毛田さんがこらえきれずに笑っている。会場中が笑顔・笑顔!!間奏の高樹さんのギターはメインのホーン隊をサポートするようなブルーグラス風味。エンディングへのクレッシェンドがだんだんに盛り上げる。こんなに熱いのに端正な泰行ヴォーカルがまた良し!セッション風に盛り上がってエンディングはバッチリ決まった、大歓声!これが叫ばずにいられようか!

ヒートアップし過ぎた場内をなだめるように、泰行さんがおもむろに取り出したのはMC台本?今ツアー会場で販売されているステッカーが貼られているもの。
「えー、ここでも何かしゃべれということで‥‥」ってアナタそんな(笑)。
「キリンジは、このツアーのリハの直前まで新曲のレコーディングしてたんですよね。」
「そうなんですよ。」
と兄。場内から「おお〜!」とどよめき&拍手が。
「でね、なかなかいいのができたんですけど、年内に発売予定だったのがいろいろとありまして、1月の発売になったんですよね?」
「そうそう。一応、12日くらい‥‥それぞれ1曲ずつ、2曲録りました。両方ともいい出来なので、多分満足してもらえると思いますよ。」
高樹さんよりの頼もしい言葉!期待しちゃうよ。
「‥‥では、少しゆっくりとしたペースで3曲ほど。」

「太陽の午後」では泰行さんがエレアコのストロークで良い音を響かせてうっとり。サビのコーラスがまた快い、ここは高樹さんと一徳さんだ。
「Sun,Sun,Sun,Sunday〜」やアウトロの「Take My Breath Away〜」のファルセットの美しさには思わず身震い。
続く「雨を見くびるな」もゆったりと余裕さえ感じさせるプレイ、高樹さんのコーラスが堂々としているのも嬉しい。みぞおちに来るんだ、この曲は‥‥。間奏部のフルート&フリューゲルホーンが素敵。今日は兄コーラスによる「雨を見くびるな、Huhhh〜」もきまった!アウトロへ続くギターソロも高樹氏の見せ場、すっかり酔わせてくれた。
ひそやかに始まった「耳をうずめて」、場内からため息の花束。いきなり胸にせまる感情に驚く。鼓動がひそかに早まるのは何故?フルセットのバンドで聴くこの曲の素晴らしさといったら‥‥!重なる二人の声のマジックは、確かに存在した、と思う。美しすぎるアウトロにも涙。大きく息を洩らしてしまった‥‥。今回、選曲とその流れが本当に素晴らしいことを実感。

泰行氏のギターチェンジ(→白テレキャスに)後、MC。
「え〜、来年はツアーを多めにやりたいなと思ってるんですよね。」場内拍手と大歓声!「今まで行ったことのないところにも、ね。」
高樹「バンとかで行くみたいですよ。」(え〜!?)
泰行「そうそう、バンドらしい感じで」(お〜!!)
高樹「九州は9コ、四国は4コ。その位、噂によると。」
泰行「今まで新幹線とかで来てた人には耳寄りな情報ですよ。」拍手と歓声、再び!
「じゃ、牡牛座ラプソディをやります。」

イントロから立川さんのベースに高樹さんのギターがファンキーに絡む絡む、うひょ〜、横揺れ必至!ホーンが重めに乗っかってきたと思ったら!CDでは木管のリード旋律をなんと、泰行さんのギターが奏でているではないか!エフェクターを通したちょっと奇妙な音色がなんとも微笑ましい。が、色気もあるぞ。これ、弾いてて気持ちいいだろうなあ!
ヴォーカルがまた、生では一段と男っぽい。今日は歌詞もほぼ完璧だ、ホッ。サビも男っぽく高樹さん&一徳さんのコーラスが入って来てたまりません。この曲ドラムも大変そうなのになんと素晴らしい!欲を言わせてもらえれば「来やれ!」「消えろ!」でも高いパートのコーラスが欲しかったなあ、これ強く希望!
音の洪水の間奏部ではさながら二人のギターバトル!高樹氏弾きまくり、ギブソン唸る!2番での妖し気なホーンもホントにカッコイイ。「四の五の言うなよ」と高音で飛び出すフレーズでの泰行さんの表情、そして高樹さんの「バッファロー!」の雄々しさはなんとも好対称。展開部での互いに追いかけていく2本のホーン、リズムがラテンにシフトしていくあたりのバンドのカッコ良いこと!嵐のようなアウトロ、ラストのホーンまで華やかに決まる!大歓声!

と、息つく間もなくドラム&パーカッションのリズム!次々歓声が飛ぶ、ともさん連投の大活躍!「汗染みは淡いブルース」!イントロのホーンとユニゾンの高樹ギター、続くフェイクにもシビレる!
泰行氏のヴォーカルはあくまでもクール。対する高樹氏のファルセットコーラスはうっすら熱を帯びてきたよう。これは踊るしかないでしょう!ステージ上ではともさんも華麗なステップを披露。
「気抜けの体でクロールをする、Yeah!」も決まった!でもところどころ高樹コーラス抜けていたような?惜しい。間奏のラテンパーカッションではともさん気合い!の一声に感激!ここでも高樹ギターとのちょっとしたバトル。堂々と渡り合うタカキさんは頼もしい兄貴そのもの。

そのまま一気に「冬のオルカ」、拍手と歓声が迎える(待ってたよ!)。泰行さんの「俺」ヴォーカルも一層のびやか。「ハイディホー、フレー!」では表情を少しゆがめつつも高音の伸びは驚くほど。サビを追い掛ける高樹&一徳コーラスのハモリの堪らないこと!ここまで聴かせてもらえたことって今までなかったな‥‥。後奏部での泰行氏の伸びやかなスキャットにはいつも鳥肌・・・。この曲はおそらくキリンジにとって特別な1曲なのではないだろうか?気合いがハッキリ伝わってくるようだった。
ここで泰行氏白テレキャスにチェンジ、次はいよいよ「あの曲」か?期待! クールな泰行ギターのリフに艶めく高樹ギターが絡む、やや泣きの強いイントロ、予想通り「繁華街」だ‥‥。この曲ではいつも、役者・堀込泰行を感じて身震いしそうになる。物語りを聞かせてくれよ、もっと!どこか遠い異国の街へと連れ去られそうだ。音川さんの奔放なサックスソロがさらに誘う。
すっかり静まり返った観客に追い討ちをかけるように「ダンボールの宮殿」!まさかこの曲が聴けるなんて!
しかも音源のイメージ通り、いやもっと凄みが感じられて正直驚いてしまった。「レコーディングが一番難航した」と聞いていたのに、こんなに素晴らしいアンサンブルを聞かせてくれるとは。ふと見ると比較的優しい表情の多い一徳さんが珍しく厳しい表情に見受けられた、やはり気合いが違うのか‥‥。サビのコーラスもグッと来る仕上がり、ここは高樹さん&Key.松原さん。
「緋色のダンボールのパレス、Ahhh〜!」と続けた泰行氏の咆哮がワイルドで、ぞくっと来てしまった。これもライブならでは!後奏部のセッションはプレイヤー同士の丁々発止、お見事!エンディングのユニゾン&ホーンがタイトに決まってもう言うことなし。掛け値無しの格好良さ!

「‥‥後半、セッションぽくなったので、ここで手伝ってくれているバンドのメンバーを紹介します。」
左手前からパーカッションの山口ともさん、その奥左よりサックス・音川英二さん、トランペット・羽毛田耕士さん、ベース・立川智也さん、中央のドラム・嶋村一徳さん、右手奥のキイボードは今回初めて参加の松原博さん、と一人ずつ紹介。お一人お一人に大きな拍手!
「(松原さんは)キリンジは大変だ、大変だって言ってましたね」と泰行さんが言うと
「僕も大変ですよ‥‥、もう一杯一杯なんですから。自分で作った曲なのに(苦笑)。」と高樹さん!イヤイヤ、立派なモンですよ(失礼;)!自信持ってくださいな。
ややあって、兄弟お互いに紹介しあうも、カブってしまってなんだか微笑ましい。
「‥‥じゃあ、風を撃て、銀砂子のピンボールと2曲やってお仕舞いです」 ええ〜!なんで言っちゃうの〜?とあちこちから異口同音にツッコみが(笑)。そんなMCありかい!
「まあ、‥‥また来ることですしね」と泰行さん、続けて
「そうそう、来年は一杯やるんですから!」と高樹さんからも。そんなこと言われたって・・・(苦笑)。

続く「風を撃て」はすっかり余裕のプレイ。ともさんのコンガが効いている。サビのホーンのキレが良くてカッコいい!間奏での羽毛田さんのトランペットの凛々しさよ。松原さんのオルガンも唸る!後奏部の高樹氏のギターソロはスリリング、まるで疾風のよう。まさに「ロックなキリンジ!」を堪能させてくれた。
ところで高樹殿、できたら今度「なだめる〜間に〜」あたりにもコーラスをご一考願えませんか?
ガラリと変わって「銀砂子のピンボール」、華やかなホーンにはずむドラム!期待以上のライブver.に嬉しくて堪らない!泰行氏は自分の声の魅力を知り抜いた上でこの曲を書いたのだろうか?本当に伸び伸び嬉しそうに歌ってくれて、感激!こっちも楽しんでいることを表したくて、わたしもサビのハンドクラップに参加。少しは伝わったかな?「タントウシャが狙ってる、Hey!」聞き逃しませんでしたぞ!間奏部のギターソロは高樹さんだったけど、泰行さんでも一度聴いてみたい。続く3声コーラスの力強さに思わずガッツ!後奏はともさんのハデなアクション付きのプレイの独壇場、観客にも真似た振りが続々!こんなに楽しいライブ、久々っ!!!嬉しすぎて終了直後、嬌声をあげてしまったほど。そうでもしなきゃいられない!って気分!気付けば高樹さんのギターの弦が切れていた、本当に熱い演奏だったもの。

鳴り止まぬ拍手に応えてようやく再登場してくれたバンドの皆さん、こちらからの本気のアンコールは届きましたか?
メンバーの雰囲気、特に泰行さんの笑顔からバンド自身快心の出来だったことが伺われた。
「こういう予定調和も、やってみるとなかなか楽しいものだなって・・・。
 今までそういうことを拒絶していたキリンジですが、これからはそういうことも楽しんで行こうかなと思っています。」‥‥ああ、もう最高!

泰行さんがとつとつと語ったこの言葉、きっとこの日のライブと供に忘れないでしょう。
手慰みに次の曲のフレーズをつま弾く高樹さんに「弾かないように!」とビシッ!と一言。そうそう、その調子!ちなみに高樹さん、去年のツアーでもよくコレやってました(笑)。

「ということで唐変木のためのガイダンスをやります」待ってました〜!
ほぼCDのアレンジのままに始まった楽しい一曲、インストアライブを観た限りでは少々不安もあったのだが、高樹氏のギターも今日はすっかり決まっている。ともさんがこの曲でも大活躍!なんと太鼓を叩きつつそのバチを一回ごとにくるり、くるりと空中回転!合間には笛まで吹いて、うーん、流石!!
間奏部はヴァイオリンに代わって音川さんのソプラノサックス!自由自在にメロディが遊ぶよう。
気付けばメチャクチャ歌っている人多い!泰行「笑いませ」観客(アタシも)泰行「急ぎませ」観客(さ、カレシも)と自然な流れでコール&レスポンスになったときは、瞬間の嬉しい驚きだったのだけど、直後から込み上げてきたその感動といったら!これはもう「言葉ではあらわせないほど」としか言い様がない。あのときの泰行さんと高樹さんの気分はどうだったんだろう?
エンディングのヴァイオリンのパートは高樹さんによる早弾きとホーン隊のユニゾンで、そりゃあ目が回りそうで滅茶苦茶楽しかった!!

「アルバム『47'45"』というのを受けてのツアーなので、最後の口実という曲をやってお別れです。」
そんな、「言わんでも‥‥」とツッコミのひとつも入れたくなる泰行さんのMCのかたわら、高樹さんはギターを置いて用意されたスツールにかける。この曲もステージでは聴けないと思っていた・・・。
ともさんがリサイクルドラムでデッドなリズムをゆっくりと叩きだす。スポットライトの中、ギターを抱えたままその鼓動だけをまとって歌いだす泰行さん。思わず自分で自分を抱き締める、そうせずにはいられなかった。最低限の音なのにその豊かな世界と言ったら。柔らかなピアノ、エロティックな木管。「もう一つずつ〜」と重なって、すうっとライトに浮かび出される高樹さんの独唱はステージでは初めてのこと。耳に手をかざして、音をとりつつのヴォーカル。もぅ、溶けてしまいそう‥‥すっかり酔わせていただきました。デザートというより、食後酒(ディジェスティフ)?こんな満足感を味わったライブは本当に初めて。

泰行さん、続いて高樹さんからも「ありがとうございました。」一斉に割れんばかりの拍手!!こっちこそ「ありがとう!!」
泰行さんから、もう一度駆け足のメンバー紹介。「そして堀込高樹堀込泰行でした!」
「さよなら、おやすみなさい!」両手をあげて声援に応えながらステージを降りる二人に、いつまでも拍手を送りたい気分だった。
 
**シェクターのことは嶋村一徳さん立川智也さんに教えていただきました。心より感謝いたします。**

出演‥‥堀込泰行/vocal, guitars
    堀込高樹/electric guitar, chorus

    立川智也/bass
    嶋村一徳/drums
    山口とも/percussions
    松原 博/keyboads
    音川英二/sax, fl
    羽毛田耕士/tp,fr・・・・・・thanks to 一徳's Homepage

Play List
 ・V.I.P(登場時のBGM)
 1.Drive me crazy
 2.ニュータウン
 〜3.恋の祭典
 〜4.野良の虹
 5.双子座グラフィティ
 6.B.B.Q.パーティ
 〜7.五月病
 8.茜色したあの空は
 9.太陽の午後
 10.雨を見くびるな
 11.耳をうずめて
 12.牡牛座ラプソディ
 〜13.汗染みは淡いブルース
 14.冬のオルカ
 15.繁華街
 16.ダンボールの宮殿
 17.風を撃て
 18.銀砂子のピンボール
 -- encole --
 19.唐変木のためのガイダンス
 20.口実


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